研修会開きました(リハ部会:その9)
第110回社会保障審議会介護給付費分科会(平成26年10月15日)で出された平成27年度介護報酬改定に向けた基本的な視点として、次の3つを学びました
〈第1の視点〉地域包括ケアシステムの構築に向けた、在宅中等度者や認知症高齢者への対応の更なる強化。
〈第2の視点〉介護人材確保対策の推進
〈第3の視点〉サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築
続いて櫛橋弘喜先生は「地域包括ケアの拠点となるため 強化型老健を目指して」というスライドを示し、「従来型老健の流れというのは『特養待ち』。在宅や病院から入所すると、行くのは特別養護老人ホームで長期入所となり、通所リハはレスパイト。また長期入所の結果としての看取り、という流れです」と説明。それに対して在宅強化型老健の利用者は、入所はもとより、訪問リハや短期入所、通所リハ、在宅サービスなどとの連携を密にしながら在宅生活を支援し、それらをリピートしていきながら看取りも行う、という流れを学びました。またその中でインフォーマルサービスや地域住民などとの関係も重要とのことでした。
この事を踏まえて、老健が地域包括ケアの拠点になるためには「1.自施設へのアプローチ、2.在宅復帰機能の強化、3.在宅支援機能の強化、4.医療機関との連携、5.居宅介護支援事業所との連携、6.かかりつけ医や他のサービスとの連携、7.地域住民との連携・・・の7つのアプローチが必要」とし、それぞれについての説明がありました。
【アプローチ1.:自施設へのアプローチ】
〇施設機能強化・・・(1)地域包括ケアの拠点に向けた施設理念の再考と施設長や理事長の使命感、(2)理念を支える経営基盤、(3)職員の理解、知識、技術の向上、(4)職員配置、システムの見直し、(5)職員の連携
【アプローチ2.:在宅復帰機能の強化】
(1)在宅復帰に向けた流れ(パスの作成)、(2)在宅イメージの共有(ホームエバー)、(3)外泊支援と家族へのアプローチ、(4)入所前、退所前、退所後訪問の充実、(5)居宅介護支援事業所との連携(担当者会議)、(6)在宅サービスの理解と連携、(7)テクニカルエイドサービスの強化
【アプローチ3.:在宅支援機能の強化】
(1)通所リハビリテーションの充実、(2)短期療養介護充実、(3)訪問リハビリテーションの充実、(4)看取り機能の充実
【アプローチ4.:医療機関との連携】
(1)医療機関への啓発・営業、(2)退院前カンファレンスへの積極的参加、(3)医療機関主催の連携会議等への積極的参加、(4)地域連携診療計画管理料合同会議への参加
【アプローチ5.:居宅介護支援事業所との連携】
(1)居宅介護支援事業所への啓発・営業、(2)居宅への説明会の開催、(3)担当者会議への出席、(4)担当者会議の施設内環境の提供、(5)通所リハ、訪問リハとの連携強化
【アプローチ6.:かかりつけ医や他のサービスとの連携】
(1)退所後の情報提供、(2)老健在宅サービスの啓発、(3)担当者会議の案内、(4)通所リハ、訪問リハとの連携強化
【アプローチ7.】地域住民との連携
(1)健康教室、セミナー等の連携強化、(2)ボランティア受け入れ、(3)地域の介護予防教室等への支援