研修会開きました(リハ部会:その1)

2014年3月28日|

 リハビリテーション研究部会は315日、宮崎市の宮崎リハビリテーション学院で「起居動作・移乗動作介助方法に関する研修会」を開きました。今年度から介護職員等を対象に、介護動作に関する勉強会を取り入れようと、開いた研修会には56名が参加しました。その模様を連載していきます。

 

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【テーマ1「起居動作の介助方法」講師 濱砂好治さん 介護老人保健施設菜花園理学療法士】

 

介護・看護の連携、実践の中から、その人の機能を活かせる様な介護技術を知る必要があり大事ではないかと思います。まず利用者様が何ができて何ができないかを理解、確認する事が必要であるという事です。

そこでまず移動動作とは何かという事になるのですが移動動作とは定義として「ある点から他の点へと、距離の長短にかかわらず、空間で水平、順重力方向、抗重力方向に身体の重心の位置を変化させること」をいいます。つまり重心が動けば移動動作であるという事です。ではこの移動動作には5つの基本があります。

つまり?力学的側面、?神経生理学的側面、?運動学的側面、?介護学的側面、?心理学的側面・・・です。

力学的側面では支持基底面、重心の高さ、重心線の移動と平衡、ベクトル、物を持ち上げる力・動かす力、てこの原理が関係してきます。ふむふむ、なるほどです。物体が不安定ならば動かし易い、動き易いという事を利用すれば、効率の良い動きや介助ができる事になりますので、人間の身体の動きを知る事、つまり生理的な動きに添って動かす事がいかに重要なものかがわかってきます。

神経生理学的側面では眼・頭頚部のコントロールは重要で、体幹への動きに影響がでてきます。運動学的側面では押す動作と引く動作の違い、安定した状態の移動動作、回転動作のコントロールが挙げられます。物体の重心の動きや、肩甲帯や骨盤帯を上手くコントロールするにはどうすればよいのか、例えば立てる要素のある方は立つ方向に誘導してあげるという事、本人様に押してもらう事で重心も前方に移り立ち易くなる。背臥位の際では広い支持基底面を持つ骨盤帯や肩甲帯は浮かす事、つまり上肢を伸ばしてみたり下肢を重ねたりと支持基底面を狭くして、丸い状態をつくる事で不安定にさせる事がポイントです。

介護学的側面や心理学的側面では、できない部分のみを介助し、口頭指示ははっきりと具体的にすること。そして安全であること、恐怖心を抱かせない介助が大切です。

この介助を最小限にして、口頭指示をはっきり具体的にするという部分ですが、みなさん必ず思いあたる部分だと思います。介助される側ができることまで介助していませんか?例えば移乗動作として重心の誘導さえしてあげれば、自分で立てる方に対して全介助で行っている介助者・・・たしかにみたことあります。「はい起きましょう」「はい立ちましょう」「イチ・ニ・サン」と言っている介助者・・・たしかにいます。

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(つづく)

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