「塩麹の伝統」学びました(栄養・給食部会:その1)

2016年3月3日|

 栄養・給食研究部会は225日、宮崎市のニューウェルシティで研修会を開きました。講師に「こうじ屋ウーマン」こと浅利妙峰先生をお招きし、40人がこうじの魅力、そして世界中から見直されている日本の食文化の素晴らしさについて学びました。

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(↑会場となったニューウェルシティ)

 浅利先生は大分県佐伯市で320年以上続く、こうじ専門店「糀屋本店」の9代目当主。

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(↑糀パワーで元気いっぱい!の浅利先生でした)

日本の発酵調味料の源となるこうじの活躍の場を、もう一度家庭の台所に戻したいと講演会や料理講習会などを通じて全国各地でこうじ文化の普及に努めています。その活躍の場は国内にとどまらず、「世界中の人たちをお腹の中から幸せにしたい」と欧米や南米など世界中を飛び回り、食卓を囲む笑顔を広げ、平和を愛する穏やかな心をつなげようと活躍中です。そんな浅利先生の講演「医食同源 美味しく食べて明るく生きる」が聞けるとあって、この日は鹿児島県からの受講者もありました。

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 講演では麹(※)菌が生み出す豊富な栄養素の話にはじまり、「飲む点滴」とも言われる甘酒の効能、「長生きの素」、「生菌効果」、「血の巡りをよくする」などといった「味噌の八徳」、そして1975年、アメリカ上院栄養問題特別委員会によってまとめられた「マクガバンレポート」の中で「最も理想的な食事」としてお米と野菜を中心とした”一汁三菜”の「江戸元禄以前の日本食」と報告されたことなどが紹介されました。

(※)”こうじ”は”糀”と”麹”の2通りがありますが、”糀”は明治時代にできた国字(和製漢字)で、米こうじのみを表し、”麹”はこうじ全般を表す漢字で、中国から伝わった漢字だそうです。

 また和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、日本食を支える発酵調味料「さ・し・す・せ・そ」、その基本となる塩糀は「世界中で使われるようになる」との説明に、受講者は興味津々の表情で聞き入っていました。糀を中心に置き、これら5つの発酵調味料「さ(酒)、し(塩糀)、す(酢)、せ(醤油)、そ(味噌)」が取り巻いているスライドを示しながら「これらの調味料はこうじがあれば作れます、今は店で買うようになっていますが、昔はみんな家で作っていました。私はそういう文化をリバイバルで伝えたいのです」と浅利先生は熱く語っていました。

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(つづく)

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