言語聴覚療法学びました(リハ部会:その1)

2016年3月8日|

リハビリテーション研究部会は227日宮崎市の宮崎リハビリテーション学院で、第2回の研修会を開きました。今回のテーマは「ST以外の職種でも取り組める言語聴覚療法」。講師の潤和会記念病院の言語聴覚士、増田智子さんによるはきはきとした聞き取り易い口調の中、60名の参加者が聞き耳を立てました。その講義の模様を連載します。

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【講義の内容】

言語聴覚士とは・・・・音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練、その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいう・・・・つまり、話す、聞く、食べることのスペシャリストになります。

さて、言葉の障害というものは、ただ単にしゃべれないとか上手く発音できないということだけではなくて、まずはしゃべる為に正しく考えたり話したいと意欲を持つ事が大事になってきます。失語症や構音障害といった正しく発音できなかったり正しく言葉を選べないだけでなく、認知症の方でみられる正しく考える事が難しかったり、話す意欲が持てなかったりという所も言語障害の原因となります。言葉が通じない時には一緒に行動してトイレに行くとか体操したりなど言葉以外の事で人間関係を構築することが最初の働きかけになるといわれています。

言語聴覚障害の一般的な特徴ですが、骨折で骨が折れた人は折れた部分が治れば以前と同じように生活ができていきだすものと考えますが、耳が聞こえないとか言葉が上手く話せないとか言語聴覚症状は基本的に治る事はありませんので、例えば耳が聞こえない人に補聴器を使うとか手話を使うとか文字を書いて言葉を教えるとか聞き手がどのように反応するかで言語聴覚障害の進行を塞いでいるものが大きくなったり小さくなったり、その人だけの問題でなく周りの人の反応も大事になってきます。また周りが反応した事に対して障害がある方がどのように反応するか障害の深刻さが変化してくるものといわれます。

耳が聞こえないとか上手くしゃべれないとかは骨折して動かないと比べ外見からは見えにくいので周囲の方から理解されず、また自分の障害を伝えにくいという面もあります。

一般的に言語障害の方への対応として、サインを読み間違えないこと。重度の言語障害の方は思いが伝わらず塞ぎ込んでいることもあり表情変化が乏しかったりするのですが、本当にご本人さんがどんな事を考えているのか、何を言いたいのか一緒に考えていくことが大切になると思います。

次に話をきちんと聞く、わかったふりをしない。傷ついたり話をしたくないとなりますので分からない時には分からなかったと訴える事も大切になります。

障害の種類にあった対応。どの位のことがわかって、どの位のことができるのか、どんな気持ちでいるのかを把握することが大事です。

失語症は種類によってできること、苦手なことが違ったりしますので症状にあった対応が大事でやみくもに話しかけたり訓練を強要したりすることは望ましくないといわれています。

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(つづく)

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