サクラサク2016

2016年3月29日|

 324日、宮崎でも桜の開花が宣言されました。各老健施設でも利用者を対象にした花見会が催されていることと思います。

 日本の代表的な春の行事ともいえる花見。その風習は奈良時代から始まったものの、当時の花見は桜ではなく、中国から伝来した梅だったそうです。「日本人が実は知らないニッポンの『謎』学」(武光 監修、永岡書店)によれば、「万葉集」で桜を詠んだ歌が43首なのに対し、梅を詠んだ歌は110首以上あり、そのことから花見の対象は梅だったことがわかる旨の記載がありました。

 しかしこれが平安時代の「古今和歌集」になると、桜が70首、梅が18首になり逆転。「日本後紀」には812年に嵯峨天皇が京都の神泉苑で大規模な花見の宴を開いたことが記録されているとのことで、その頃には「『花見』といえば『桜』」となっていたのでしょう。

 梅の時期だとまだ寒いし、何といっても桜は散り際が美しく、春風に乗って舞う桜吹雪の、はかなくしかし華麗な様は、古今を問わず日本人の琴線に触れるものと言えます。そして利用者の皆様も、若かりし頃より咲く桜、散る桜に心を動かしてこられたことと思います。

 春の優しい日差しの下、みんなで桜を愛でながら、昔話に花を咲かせ、楽しく優雅なひと時を送りましょう。

IMG_0051-1(s).jpg

(↑これは一昨年撮影したもの。去年は天候不良等により桜はあっという間に散ってしまいましたが、今年はより長く楽しめることを祈っています)

« 前のページに戻る

TOPへ