「現場に学べ」:クリミアの天使
1856年3月30日はクリミア戦争が終結した日。今から160年前のことです。この戦争の際、多くの看護師を率いて傷ついた兵士の看護に奔走したのが「クリミアの天使」と呼ばれるご存じフローレンス・ナイチンゲール。
このナイチンゲールの残した名言のひとつに「どんな仕事をするにせよ 実際に学ぶことができるのは 現場においてのみである」というものがあります(「偉人のアフォリズム101」、紫月尼密香、東邦出版)。
自らの命も脅かされかねない「戦場」という危険で過酷な状況の中、ナイチンゲールはそこを学びの「現場」とし、後生にずっと引き継がれる偉業を成し遂げたことを思うと、その我が身を賭した「学ぶ姿勢」がいかに真剣であったかと、敬服の念に堪えません。
老健施設で働く者の一人として、介護の「現場」で常に学ぶ機会が得られる環境にあることは恵まれていると思います。そして介護が必要な利用者の皆様が、その不自由な身体や心を私たちに示し出して下さることに敬意を払いながら、ひとりひとりが尊厳を保ちつつ、地域の一員として生活が続けられるよう、常に学びの気持ちを忘れず、そしてその学びが新たな実践として活かされるよう、介護の「現場」を大切にしていきたいと考える次第です。
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