研修会開きました(支援相談員部会:その4)

2013年2月6日|

 研修会も終盤にさしかかり、今度は介護訴訟の判例に移りました。新井弁護士は「私は介護分野に詳しい法律家だが、これが訴訟に持ち込まれたとき、介護分野に詳しくない法律家が判断して裁きます。『対応が難しい』と現場の実情を言ってもわかってもらえません。それを前提に考えて欲しいと思います。また、裁判官は独立性が保障されているので自分の判断で決められるが、他の裁判官が似たような事例でどのような判断をするかは気になるし、参考にはする。だから介護訴訟の判例は学んでおくべき」と判例の持つ意味を説明しました。

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 「介護事故が起こらないようにするためには、全ての危険を排除すればいいわけです。しかし、全ての利用者に職員がはりついたり、誤嚥がないようにミキサー食ばかりにすることができるか?という介護方法の現実性という問題があります。また、介護保険法第1条は、要介護者が『尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう』福祉サービスを行うことが目的とされています。したがって、介護訴訟の注意義務違反や安全配慮義務違反は、利用者の安全と、利用者の尊厳・自立支援および介護方法の現実性のせめぎ合いの中で判断されます」と前置きした新井弁護士。注意義務の具体的内容として「予見可能性(利用者のリスクに関するアセスメントの妥当性)」と、「結果回避義務(ケアプラン等の妥当性とその実行)」があるとし、ぞれぞれについて、転倒・転落および誤嚥に関する判例に基づき説明を行いました。

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(続く)

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