研修会開きました(リハ部会:その5)

2014年4月3日|


 次に筋活動の準備も大切で、高齢者の場合や感覚障害、意識障害のある方はどこに力を入れていいのか分からない方も多いです。介助者が実際に力を入れる部位をタッピングして筋力を発揮しやすい状態にする事も大事です。頭でイメージして力を入れる場所を具体的に教えてあげるということです。

そして適切な開始姿位です。車椅子の位置、被介助者の足・臀部の位置を適切にセッティングするということです。足を肩幅ぐらいに開き膝関節を曲げる(足を引く)。足を前に出していると立ちづらいですよね。これだけで能力を発揮できる方は多いです。また、立つとき手すり等の距離です。近すぎると立ちづらいですよね。前に重心がいきません。このように最初の姿位は大切です。視覚情報の掲示も大事で足がどこにあるのか、どのくらい開いているかという視覚情報をしっかり与えます。また、モジュール型車椅子を活用してアームサポート。フットサポートを跳ね上げて動き易い環境をつくる事も大切です。環境整備も大切で例えばベッド周囲に物を置かないようにして移乗時に邪魔なものが存在しないようにすることも大事です。

腰部に負担をかけない動作というのは、できるだけ持ち上げない。できるだけひねらない。できるだけ上肢を体幹から離さないということになりますので考えてみましょう。

介助バーを使用する方法では、一部介助で立ち上がりや回転動作ができる方になりますが、自然な動きを妨げず必要な部分のみ介助します。側方から、また後方からの介助も有用です。しかし、問題なのは全介助の方です。よく見られている対面式での抱え形介助ですが、メリットとしては、道具を使わないため場所や時間の制約が少ないです。しかしデメリットとして介助者の腰痛に負担がかかりやすい。被介助は前傾姿勢がとりづらいので自然な立ち上がりが妨げられることです。やらざるを得ないときは分割して一度止まって立ち上がる動作だけ、その後回転するという感じにすると少しは介助者の負担も減るのではないでしょうか。

できるだけ持ち上げない方法として考えられるのが、頭部抱え込み式移乗、座位式移乗、スライディング移乗と紹介していただきました。それぞれメリットやデメリットが考えられますが持ち上げない方法としてぜひとも試したい実践したい移乗方法であります。写真にて参加者が実践している所を添付していますのでよろしかったらどうぞ。

これらが通用しないケースもあり、前屈が困難な方、体が後方・側方へ強く引けてしまう方、極端に身長が高い(足が長い)方などです。対応としてはベッドの昇降機能を利用したり、2人でのスライディングボード利用の紹介がありました。

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 さぁーそれでは実践しましょうという事でみんなで移乗動作に熱心に取り組みました。

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 今後移乗動作の方法としての引き出しが増え、参加者は有意義な時間を過ごす事ができました。(W

(おわり)

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