言語聴覚療法学びました(リハ部会:その5)

2016年3月14日|

言葉以外のコミュニケーションは、表情や指差し、「はいいいえ」反応、文字の選択、実際にその場所に行く、書くまたは描く(文字や絵など)、地図などがあり伝わりあえる方法や手がかりはあります。

最初のコミュニケーションとして、握手をすることで心を開いてくれているか、受け入れる準備があるか、この会話に何分あてるかなど考えます。会話をして伝わるときは伝わるし分からない事はわからないので、分からないときは分からないということを共有する事も大事になります。言葉以外のてがかりとして身体に触れる、実物を示す、実際の場所へ一緒に出向く、地図やカレンダーを使うなどしていきます。

2回目からは聞くこととして、「はいいいえ」の反応を上手く引き出していく練習があります。毎回同じような事を聞きながら違いや答える事を判断していくといいと思います。話すことや読むこと、書くこととしても、話を膨らませたりして、言葉以外のコミュニケーション方法を活用して挨拶や身近な内容、家族や仕事、好きなこと、ニュースなどさまざまな方法での会話を楽しみ、反応をみていくといい練習になると思います。

失語症者の特徴で出来る面・よくなる面として、対人関係、仲間への思いやり、言葉かけの意図を理解する(表情や声の調子が右脳でキャッチされるらしい)、歌を歌う、絵を描く、囲碁や将棋を楽しむ、道順を理解する、記憶、障害の自覚・意欲・感情のコントロール、すじ道の通った思考、出来ない面として、思い通りの言葉を言う、他人の言葉を即座に理解する、文章の理解(漢字なら分かり易い)、メモをとる、筆談や50音表の名指しなど文字による表現、復唱、音読、ジェスチャーなどがあります。

失語症者の関わり方として、話す場を作ること(1対1で話す、目を見て話す、ゆっくりはっきり端的に伝える、伝わっていないかな?と思ったら繰り返す)、質問は広いところから絞り込んでいく。ことば以外のツールを使用しながら伝わるように工夫することが大切です。また、対象者の気持ちを推測して確かめることは大事になります。失語症者の方は細かいところによく気がつくし、記憶も確かで判断力もしっかりしています。考えはあるのに、それを言葉として伝えられないのはつらくもどかしいものでありますので、無理に言葉を言わせることではなく、本人のことばや思いをいいあてる関わりをもつことです。

うまくいかないときは、ことばに固執せずに日中は起きて座って過ごし、トイレや食事など日常的に行う事を伝えながら、介助する側が本人様がどのように訴えるのかなど観察することも大事だと思います。看護や介護は身体を通じてのコミュニケーションを豊かに含んだ行為です。また、同じ障害の仲間が集まる場所に連れ出してみることもいいと思います。グループ訓練なども良い練習になり、歌や歌の話題などについて話をしたり料理を作ったり絵を描いたり、自己紹介やクイズ、ゲームなどを行うこともあります。みんなで何かをするとその人らしさであったり、思いがけずぽろっと言葉がでたりとか見られるのでグループ訓練も試してもらうのも良いかと思います。

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運動障害性構音障害ですが、神経?筋系の病気による発生発語運動の障害であり、内容はしっかりしているけれども、ろれつの回らない話し方に代表される発音の異常が特徴になります。認知症や失語症を合併しないかぎり、ことばの内容や理解に異常は認めません。

種類や発話の特徴はさまざまですが、構音障害者への関わり方として、聞き手は鋭い耳を持ち、聞こえたとおりに繰り返し、50音表を活用したり書いてもらうなどやり取りをするといいのかなと思います。どうしてもわからない、通じないときは分かったふりをせずに「ごめんなさい」と伝えることも大事だと思います。訓練に関してですが、口腔体操を構音障害の人に対して練習することと似ています。食べることと話す事は同じ要素を含みますのでしっかり口腔体操をすることは良い練習になると思います。姿勢に注意し、首肩の体操や呼吸、口舌の運動、発声、発音、構音(復唱や音読)を実施するといい練習になるかと思います。

最後に、「言語障害のある方に対し問い合わせやしゃべれるようになった、伝わるようになったなどありましたら、悩みや喜びを共有していきたいと思いますので、ぜひとも言語聴覚士協会や個人的にも連絡いただけると言語聴覚士をやっていく中で勉強になります」と講師の増田智子さんは締めくくり、2時間があっという間に終了致しました。

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(おわり((W))

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