「外から見た老健」学びました(リハ部会研修:その13)
そして「老健の『強み』と『課題』」について、スライドを示しながら話し始めました。
「看多機と比べた老健の強みについて、加算をもとに比べてみました。老健はまず栄養と経口摂取(口腔・節食・嚥下)を含めたマネジメントができる体制というのが一番大きなアドバンテージです。看護小規模多機能型居宅介護に対して、老健は大規模多機能型です。ここは大きな強みです。一つ屋根の下に医者から管理栄養士、歯科栄養士がいる老健もありますので、三位一体でやれるのが強みです。しかも入所しなくてもショートステイで、短期でアプローチも評価もできるというのを売り込みにすると、ベッドが空きにくくなります。私が老健で相談員をやっているときは、評価目的のショートステイというのを打ち出していました。おむつのアセスメントをしますよ、と。居宅のケアマネジャーは在宅でおむつのアセスメントをするのはとても難しいです。24時間やらないといけませんし、その方の体格、肌質、量、タイミング、回数など総合的にアセスメントしないと見えてこないですよね。大事なのはパッドです。パッドはインナーです。リハビリパンツ、おむつはアウターです。インナーとアウターの組み合わせはとても難しいです。いろいろな角度からやらないとおむつ外しはやれません。パッドを固定化、安定化させるためのアウター選びは在宅では難しいですが、『ショートステイでできますよ』と言うと、とても強みになるかもしれません」
さらに「これは老健のとっても強みです」と前置きし「リハビリ、認知症、自立支援です。短期集中リハビリテーション、認知症短期集中リハビリテーションがあります。ここは介護保険の中で最も手厚く関わりができます。これは老健の強みです。介護保険でこれに勝てるサービスはありません」と断じました。
在宅復帰・在宅との接点に関しては、「特養と比べるとわかりやすいです。老健は在宅復帰がメインですが、在宅との接点を持っていることに対しても、ちゃんと加算が認められています」先に述べた栄養と経口摂取に関しても「これも老健の強みです。栄養と経口摂取については、他の介護保険サービス事業所にはないような細かい加算が与えられています」と付言しました。
まとめとして「老健の強みは大規模多機能施設です。スケールメリット、いろいろな昨日が複合しています。また常駐医の関わりがあり、経口摂取、栄養の支援が豊富、リハビリテーションと三位一体が備わっています。認知症リハもできます。前方支援、後方支援も充実しています。さらに老健はICFの考え方に基づき、人との関わりも重視しています」と繰り返した上で、「ただし老健の強みを述べることが、今日伝えたいメッセージではありませんと口調を強めると、参加者の集中力はさらに高まりました。
(つづく)