Masaさん(菊地雅洋氏)第2弾講演会開きました(事務長会&看護・介護部会:その15)

2015年10月28日|

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 介護の仕事は利用者ひとりひとりの心に咲き、そしてなぐさめる赤い花であり、そうなろうとすることで介護の仕事の素晴らしさが理解できると説いた特別養護老人ホーム緑風園総合施設長の菊地雅洋先生。入浴をかたくなに拒み続けるなど対応が困難だとして他施設から入所されてきた認知症利用者の事例を紹介しました。その方の幸福な生活に結びつけようと親身になった対応を心がけた結果、毎日シャワー浴を楽しまれるようになり、そして「皆さん、私に最期まで付き合ってくれてありがとう。ここに帰って来てよかった」と言って静かに息を止めたこと。さらにデス・カンファレンスでは、家族からも「最期はとても綺麗な身体で棺桶に入ることができました」と大変喜ばれたことなどを説明。その上で、「我々は結果を出したから喜んでいただけたわけです。一生懸命やっても結果が出なかったら、許してくれる人はいません。どうぞ結果を出すまで工夫を続ける人になって下さい。一生懸命やっただけでは我々の仕事の価値は生まれません。一生懸命やった先に結果を求め、結果が出なければ工夫して方法を変えて、そして結果を出して初めて人を幸せにできる介護と言えます。ぜひそのことを忘れないで欲しいと思います」と、結果を出すことの重要性に言及しました。

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 いよいよ講演も最後となり、東日本大震災の際、開設したばかりの施設で起きた悲しい出来事を紹介した菊地先生。「被災地には皆さんに聞こえていないエピソードがまだたくさんあります。そういう国で介護をしているという意味を、是非もう一度振り返って下さい。できることは残された我々に必ずありますので、やっていきましょう。そういう意味で皆さんへの応援歌を作ってきました」と言うと、動画「LOVE 明日へつなぐ介護(宮崎バージョン)」をスクリーンいっぱいに上映しました。

 「明日へつなぐ介護 心をつなげて100年後も色あせない介護を創ろう」と呼びかけるメッセージで始まるこの動画は、「誰かの赤い花になるために宮崎からできること」、「太陽の降り注ぐ町で誰かの心に咲く介護」、「愛する故郷に暮らす人々の心を護る介護」、「美しい故郷を護ってくれた人々に笑顔を贈る介護」などのフレーズが、サンメッセ日南や青島神社、高千穂峡、シーガイア、生駒高原、照葉大吊橋、クルスの海などの宮崎県の景勝地をバックに流れました。北海道在住の菊地先生から郷土宮崎の素晴らしさを再認識させられた受講者は、この宮崎を護り育ててくれた人生の大先輩である利用者の恩に報いるためにも、利用者の心に寄り添う介護をしていこうと決意を新たにしながら見入っていました。

 さらに「あきらめない介護、思い込まない介護」、「介護の常識が世間の非常識という状態をなくす」、「食事とは、栄養以前に人の一番の楽しみです」、「云いあわないと魂は鬼になる」、「傍らにいることが許される者になるために」、「信じよう介護の力、護ろう介護の誇り」、「無限に広がるしあわせ樹形図を描く介護」、「今いる場所で誰かの心に咲く花になれる介護」、「宮崎から介護イノベーション、日本の介護を変える、日本の介護を創る」など、この日の講演の内容を振り返るフレーズもふんだんに盛り込まれており、受講者はそのひとつひとつを反すうしながら鑑賞していました。

 映像の終盤には「他人と過去は帰ることができない、しかし自分と未来は変えることができる」、「こころ通う仲間がいます。つなげましょう。つながりましょう、明日へつなぐ言葉で・・・」と、菊地先生から受講者ひとりひとりの心に力強く響くエールが流れました。

 最後に「誰かの赤い花になるために masa」、「本日の講師:菊地雅洋の明日へつなぐ言葉で語る介護 ご静聴ありがとうございました by masa」のテロップが流れてエンディング。531秒という短い時間の中に、たくさんの学びと感動、そして菊地先生の熱い思いが込められた動画に、会場からはあふれんばかりの拍手が鳴り響きました。

←「その14」に戻る)             (つづく

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