鹿児島大会レポートアップします
昨日概要を掲載した「第17回九州ブロック大会介護老人保健施設大会in鹿児島」(5月18日、19日、於:城山観光ホテル)の参加レポートを以下にアップします。
これは同大会に参加した協会事務局が作成したもので、開会前から開会式、シンポジウム等についてレポートしています。
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【”第17回九州ブロック介護老人保健施設大会in鹿児島”レポート】
●1日目:平成28年5月18日(水)
<開会前>
会場入口には、来年開催県である長崎県がチラシを配布。
機器展示を通って、メイン会場。
会場には、1,099名の参加者。
開会前のスクリーンには、来年開催の長崎大会のPR画像を放映。
<開会式>10:00から11:00
開会に先立ち、平成28年熊本地震の犠牲者のご冥福を祈り1分間黙祷。
大会会長の今村会長より開会の挨拶。地震を受けて開催すべきか検討も、このような時だからこそ開催すべき、との意見を受け、本日の開催に至ったとのこと。
来賓代表として、全老健会長の東会長より挨拶。東会長は現在三重県在住も本籍は鹿児島とのこと。今回の熊本地震を受けて九州の団結力の強さ感じたとお褒めいただきました。
開会式最後に、平成28年熊本地震について、熊本県支部山田会長より報告。幸い事務局施設は大きな被害がなく、またライフラインが止まることがなく、動けた。最も被害の大きかった施設3施設については、別施設や母体病院が受け入れをした。会員施設への被災状況調査など実施していたが、遠慮して1日2食でしのいでいた施設があった。まだ対応の途中ではあるが、今後の施設としての課題、協会事務局としての課題について、ご提案がありました。
<シンポジウム>11:10から12:00
『地域から求められる老健とは』
シンポジスト
・佐原 康之 厚生労働省老健局老人保健課
・東 憲太郎 公益社団法人全国老人保健施設協会 会長
・鉾之原 大助 公益社団法人鹿児島県医師会常任理事、公益社団法人鹿児島県老人保健施設協会理事・代議員
コーディネーター
・今村 英仁 大会会長、公益社団法人鹿児島県老人保健施設協会会長
・佐原氏より
100年間で人口構造は劇的に変化、2000年の介護保険スタートが少子高齢化のスタート、その前の1987年から老健施設はスタートしており、少子高齢化を先に見通していたところが、すごい。老健に期待される役割は3つ。1つ目は在宅復帰・在宅療養支援。最新のデータで全体の4割が在宅強化型・加算型老健である。在宅療養については、?リハビリテーションの充実?一定基準の医療への対応?レスパイト機能が求められる。2つ目は、地域包括ケアでの中核的役割。老健は入所に加え、在宅生活支援のための通所リハビリ・短期入所があり、さらには介護予防も担っている。多面的な役割は地域包括システムの中核になりうる。3つ目には、介護への科学的視点の導入・普及。医療では、がんを例にすると?診断基準?進行度(重症度)分類?標準的な治療方法?予後予測が普及している。介護はどうか。介護は完全に専門職である医療と違い、家族が行うこともあり、標準的というのが難しい。しかし、それをやっていかないといけない、との話。
・東氏より
記憶に新しいニュースに、認知症の徘徊で鉄道事故を起こし、妻に約360万円の賠償命令が下ったとい裁判があったが、他にも介護疲れ殺人・心中など、介護の悲劇がある。どうすれば防げたのか。安倍首相も介護離職ゼロを目指すというが、いずれも原因は「制度の仕組みがわからない」とか「介護がいつまで続くか分からず将来の見通しが立てにくい」など、専門機関へ相談さえしてくれれば、解決できる問題であったことが印象的。そこで中学校区に1つある老健が、強化型老健がまさにその役割を担うことができると考えられる、との話。
・鉾之原氏より
地域の立場から、鹿児島県での取り組みについて報告。鹿児島県の人工構造から、中心部以外はやはり少子高齢化が著しく、看護職の年齢構造も年齢層が高い、という調査結果。地域医療構想の策定を受け、鹿児島県医師会在宅医療提供体制推進事業を実施し、多職種連携の強化、情報共有化をはかるための協議会やガイドライン作成、研修会を開催しているとのこと。一方老健は、全国平均よりはるかに高く強化型・加算型が約70%を占めている。老健協会では、介護の担い手づくりとして小中学校訪問により介護体験や介護のしごと理解促進に努めている。今後高齢者が高齢者を支えていかなければいけない時代、生活を途切れさせず、生活に戻すための医療・介護が求められる、との話。
《以 上》