キャリアアップ研修(基礎研修)開きました(県委託事業:その3)

2017年2月21日|

 最後の講義は「生活リハビリ~在宅復帰に向けての支援方法~」。講師は介護老人保健施設サンヒルきよたけの支援相談員、春田 泰志さんにお願いしました。001IMG_0244

 生活リハビリテーションとは「『施設や自宅での生活で、利用者がしたいこと、できることを見つけ出し、生活動作として毎日繰り返すこと』で利用者の日常生活活動の自立と身体機能向上に結びつけていく方法」であることを踏まえ、訓練中にできていることを普段の生活でも同じようにでき、日常生活において提供するケアが利用者の自立につながり、在宅復帰が果たせるようにすることが重要とのこと。そのためにも「『できる力』を奪ってはいけない」として(1)その人のできる可能性を信じ、やりすぎた介助をしない、(2)業務に追われケアが作業化しないよう、ちょっと一呼吸入れる、(3)「してあげている」という気持ちにならないよう、主役を入れかえて考える・・・ことなどを学びました。002IMG_0200

 日常生活全般が生活リハビリであり、利用者が残された人生で自分がやりたいことを少しでも実現させるために、春田さんは「介護福祉士はその人にとっての自立に必要なアイテムを見つけ出すプロフェッショナル。利用者の生活状況、心理面、家族との関わりを配慮しながら利用者に沿ったケアを提供する」ことの重要性をスライドに提示。「利用者の活動・参加を促すとともに、その後ねぎらいと賞賛を毎日繰り返すことで生活の意欲と行為に結びつけていると意識して関わることが大切」と言い添えました。003IMG_0252

 さらに他職種が協働してアプローチする事も不可欠で、目標達成のために職種間の価値観を知り、役割の明確化、情報の共有化をはかることが利用者の自己実現を果たすことにつながるとのことでした。

 これらを踏まえ、在宅復帰に向けた生活リハビリテーションを展開するために「ゴールをイメージして接しましょう」として(a)自宅での暮らし(したいことなど)を共有し、施設での日常生活場面でその目標を共感、共有する、(b)利用者が願う暮らし方を捉え、介護スタッフが気持ちを支える・・・の2つのポイントを示した春田さん。実際にサンヒルきよたけで行っている生活リハビリテーションの取り組みを写真や動画を交えながら紹介すると、受講者は身を乗り出して見入っていました。004IMG_0264 005IMG_0261 006IMG_0263

 グループワークも取り入れ、受講者同士の情報交換や問題意識の共有も行いながら進められた講義は、老健施設の使命である在宅復帰機能の重要性を再確認するとともに、そのための基軸となる生活リハビリテーションの意義や内容、具体的な実践方法を学ぶことができ、大変有意義なものとなりました。007IMG_0256

(おわり)

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