「食べられる口」学びました(リハ部会研修会:その1)

2017年2月28日|

 2月18日(土)にリハビリテーション研究部会第2回研修会が開催されました。「食べられる口を目指して」と題し、和田病院の歯科衛生士、河野佳織先生とメディケア盛年館の管理栄養士、小林真喜子先生を講師として42名程が参加されました。

 001BQ8V8240歯科衛生士の河野佳織先生からは口腔ケアや誤嚥性肺炎予防について講義され、口腔ケア用品を実際に触りながら進めていきました。まず口の中をしっかり観察していますか?という所から、奥までしっかりかみ合わせができているのか、義歯の有無、ぐらつきの有無などしっかり観察し、アセスメントしそこから必要な物品を選択し、早期に介入することが大切になります。002BQ8V8241

 口の中には700~800種類の細菌・真菌が存在し、歯を磨かないでいると虫歯や口臭、歯周病など合併症が起こります。必要な常在菌もいますので口腔ケアと細菌バランスを整える事が重要になります。口の中の細菌や細菌のかたまり(歯垢)をスライドで示し磨くことの大切さを感じました。歯周病の進行についても説明され、歯ぐきがはれたり出血、痛み、排膿、歯のぐらつきそして抜け落ちたりするということになりますので、しっかり歯と歯ぐきの間を磨くことが重要になってきます。003BQ8V8246

 口腔ケアはなぜ必要なのでしょう?それは、口の中の細菌を減らし歯周病や全身の病気や予防に役立てると言われています。歯周病菌は歯と歯ぐきの境目に深い溝がありますのでその中で増え血小板の中へと入り血管を介し全身へと巡ることになります。そして臓器や体の組織に影響することで、糖尿病や心臓病、脳梗塞のリスクを高めるということが言われています。では、どんな手入れが必要なのでしょうか?ということで、基本的な事ですが(1)歯磨き、(2)うがい、(3)義歯の手入れが大事になります。

 (1)歯磨き方法ですが、実際にテーブル上に用意された、取っ手が細くヘッドが小さい、曲げることができる、毛先が長めなどの歯ブラシに触れ紹介をいただきました。歯ブラシは消耗品ですのでこしが無くなったり、汚れがついたり、弱っているブラシがあれば交換して下さい。交換時期を過ぎた歯ブラシは歯面や歯間の磨きが不十分で、歯と歯ぐきを傷つける事になります。005BQ8V8252

 次に(2)うがいですが、うがいができる人はうがいをしましょう。健康成人で1日約1~1.5ℓの唾液がでますが、年を重ねるごとに唾液分泌は少なくなります。また夜間帯から朝にかけては唾液の分泌が減るので、口の中の細菌が増えることになります。うがいをすることで口中の細菌を減らし乾燥防止にもなりますのでうがいをお願いします。寝ている間に増えた細菌を除去する為にまず起きたらうがい。細菌を飲み込まない為食前にうがい、就寝前には細菌が増えるのを抑えるためにうがいをしましょう。

 うがいは、唇や頬っぺた、舌など口に関係するものすべての器官を使いますので、口腔内に関する機能低下を防ぐことができます。

 (3)義歯の手入れですが、義歯は柔らかい樹脂でできています。歯磨き粉などは研磨剤が入っていますので、傷がつき細菌が増えるなど影響しますから流水で洗い流したり夜間帯は外して洗浄剤使用し除菌対応をするなどして下さい。義歯も長く使用しているとかみ合わせの部分がすり減ってきたり、ばねを使用している義歯などは部品がゆるくなったりします。義歯を入れなかった場合の弊害としても結果しっかりと噛むことができなくなりますので、歯科受診をしっかりしましょう。004BQ8V8227

 義歯安定剤の正しい使用についてですが、「装着」は⑴義歯の水分をふきとる⑵安定剤1㎝を3ヶ所塗布⑶上顎義歯口内装着後指で1分間固定⑷下顎義歯口内装着上下噛んで1分間固定。 「取り外し」は⑴下顎義歯外し上顎義歯外す⑵流水で洗い流し⑶夜間は洗浄剤使用で除菌。 「義歯ケース」は⑴次亜塩素ナトリウム(ハイター)に浸け除菌。となります。

(つづく)

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