(研修会開きました(ケアプラン部会:その3)
明石先生の話は、「ケアマネジメントとは」に移りました。まず、「マネジメント」とは、「リーダーから出された方針を組織的に、より効果的に、より合理的に進め、一定の効果を出すために行う、人事、サービス、コミュニケーション、リスク等における総合的・効果的な管理運営スキル」とのこと。組織論から始まったマネジメントは、すぐに結果や効果が得られないとき、長期化する場合に重要なのだそうです。
一方、「ケア」とは、「人間が、人間らしく、あなたらしく生きていくために、直接的な介護や、または間接的な空間づくり等における専門的な支援」のこと。
総じて「ケアマネジメント」とは、「ケアを通して、利用者が自らの生活・人生・生命を人間らしく生きることを実現するために行う、人事、サービス、コミュニケーション、リスク等における総合的、効果的なスキル」であると、資料を用いて説明がありました。
この中で、特に「効果がなければ意味がありません」と強調。大きな目標地点は人間の尊厳であり、身体状況や認知症の程度に関係無く、喜びや豊かさがあり、「生まれてきてよかったなあ」と思えるような生活ができている状況を、「尊厳をもって生きている」と言うとのこと。
これらを踏まえ明石先生は、「施設ケアマネージャーは、施設における利用者の生活・人生・生命の質を高めるためにケアを運営・管理するプロフェッショナル(専門職)です。これを言って、やれなければなりません。新しい施設ケアマネージャーがよそから来たときに、『私たちの施設ケアマネージャーの専門性はね、』と言葉で説明できるようにしなければ、前のところでやっていたやり方を持ち込まれる可能性があります」と、自らの専門性を言って、やれるプロの施設ケアマネージャーになろうと呼びかけました。
また、医療と福祉のはざまで施設ケアマネージャーが抱える現実的な悩みについても言及しました。「看護と介護とどっちが上か下かという話があるが、そうじゃない。発想が違うのです。医療が支えるのは『生存』であり、福祉が支えるのは『生活』。どちらの技術も重要になってきます」とのこと。この発想の違いはケアプランにも影響することから、トップマネージャーの責務として「『福祉の発想に医療を取り込む』のか、『医療の発想に福祉を取り込むのか』を示しておくことが大事。そうしないと現場が混乱する」と前置きし、「介護施設は『福祉の発想に医療を取り込む』という考えでやらないと、ケアプランがぶれてくる」との見解を示しました。(続く)