研修会開きました(ケアプラン部会:その2)

2012年9月19日|

 はじめに明石先生が取り上げたのは、「プロフェッショナルとは?」それは「自らの専門性を言って、やれること」だそうです。これは明石先生がいろいろな所で開くセミナーの最初で言われることだそうで、「施設ケアマネージャーの専門技術は何だ?どんな技術を使っているのか?それが説明できればプロだと言える。しかしなかなか言えない。”傾聴””共感”、”受容”という技術をやっているか?どのようにやるか?と聞かれたときに説明できないと、知らないのと同じ。言って、やれるのが専門職です」と付け加えました。

 続いて、「施設におけるケアマネジメントの意義」について。これまでの施設ケアは「業務本位、職員主導」だったと指摘。つまり、業務を優先し、効率化・合理化をはかり、安全第一に務め、ADL第一主義だったとのこと。

 これに対して、本来の施設ケアは「利用者本位、QOL向上が優先」。つまり(1)利用者のQOLの向上、(2)ノーマライゼーションの実践、(3)自己決定の支援、(4)根拠に基づいたケアなど、”アセスメントから導かれた、ケアプランに沿って行われるケア”であり、「いかにノーマライゼーションを実践できるか」、「いかに利用者に喜んでもらえるか」「いかにその人らしい生活・人生を送ってもらえるか」といった内容になるのだと説明がありました。

 この一例として、大型の施設に入所された、認知症のある方の話が紹介されましたそれは次のような内容です。

 「皆さんにとって安心できる場所はどこですか。大型施設に入った認知症のある方で、『家に帰りたい』と言われる人がいます。これは”安心できる場所が欲しい”という心理からそのように言われるのです。ここがどこなのか?なぜここにいるのか?それがわからないからなのです。このことが理解できると、ケアプランも『安心できる場所を提供するためのケアプラン』に変わってきます。

それを『帰宅願望』と一言で片付けられたらたまりません。周辺症状を落ち着かせるためのケアプランだと、『”帰りたい”とおっしゃる。不穏になる』という課題がでてきて、目標設定は「”帰りたい”と言わなくなる」などとなり、何年も続くケアの内容も『声掛けをする』などとなって、これでは状態も変わりません。

 そうではなく、『利用者が安全、安心な場所を提供する』という課題が出てきて、目標設定が『利用者が安心して生活できている』とない、支援の方法を『16時くらいから不穏で”帰りたい”とおっしゃるので、15時くらいからレクレーションのプログラムを増やしたり、職員の個別的な声掛けを増やしていく』というふうにするといいケアプランになります。」

 このような事例を踏まえ、「利用者が、施設生活の中でいかに喜びを得ながら、活き活きと生活できるのか?」、また「利用者が、施設生活でいかに人間らしく、自分らしく生き続けられるか?」ということを具体的な支援として言語化したものが施設ケアプランだということを学びました。

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そして、「アセスメントという根拠に基づいてケアプランを作り、ケアプランという根拠に基づいてあらゆる専門職が総出になって一人の人間の生活を支えるわけです。それによってその人の喜びが湧き、生活の質が高まれば、それが私たちが得る喜びであり、支えなのです。ケアマネージャーとして仕事をやっているのであれば、自分たちのやっていることの喜び、本当の充実感が得られないと疲弊していきます。方向がぶれていってしまいます」と、利用者の喜びを、施設ケアマネージャーとしての本当の喜びにしようと呼びかけました。(続く)

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