割り切れない話

2013年2月20日|

 28日の宮崎日日新聞の小さな、だけど大きな記事に目が留まりました。「史上最大の素数が発見された」とのことです。あれまあ(´Д`)

 素数とは、『広辞苑』には「一およびその数自身のほかに約数を有しない正の整数。普通は一を除いた、二、三、五、七、一一など。無限に存在する」とあります。つまり、1とその数自身以外には割り切れる数がない自然数ですが、それを2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, ・・・というふうに延々と数えていって、その史上最大のものを発見したということらしいです。

 その数とは257885161乗から1を引いた数。最初の6桁が581887で、最後の6285951(゜◇゜)。全然ピンと来ませんね。だめもとで関数電卓で計算してみたら「-E-」、つまりエラー表示が出ました。そりゃそうだ。はたしてこれに約数があるか?割り切れる数があるか?見当もつきません。「河内のおっさん」なら「割れそうやんけ、割れー」とチャレンジするかもしれませんけど(本当は”ワレー、そやんけ、ワレー”と歌っていますね。って、知らない?☆=>(+_+。))・・・。

 この「史上最大の素数」を発見したのはアメリカセントラルミズリー大の数学者グループ。常人なら41くらいまで探して、「もう、これくらいでいいんじゃない?くたびれたよ」と割り切ってやめてしまうところを、コンピュータを用いたとはいえ、よくぞ割り切らずに頑張って探したものだと感服します。飽くなき探求心にあっぱれ!です。

 翻ってみますと、私たち老健施設で働く者にとっても、この「素数」から学ぶべき事があると思います。それは利用者様のケアをする際の心構え。「”まあ、これでいいや!こんなもんでいいだろう”と割り切って考えてはいけない!」ということです。今日やっているケアが明日もそのままでいいとは限りません。刻一刻と変化しかねない利用者様の心身の状態を注意深く観察するとともに、在宅復帰を果たすために必要なケアはいかにあるべきか?決して割り切ることなく、探求していくべきではないでしょうか。

 素数は無限。ケアの質にも上限はありません。アメリカの数学者に負けないよう、「史上最大のケア」を追求しようではありませんか。

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