九州大会開きました(その16)

2013年12月10日|


 「第
8回介護老人保健施設リハビリテーション九州合同研修大会」は特別講演?に移りました。テーマは「生活期における脳卒中リハビリテーション」。講師には理学療法士で千里リハビリテーション副院長の吉尾雅春先生をお招きしました。九州合同研修大会という事で熊本出身である吉尾先生の弁に、会場を埋めた参加者は、終始聞き耳を立てていました。

001IMG_6792.JPG

 

↑吉尾先生が会場に投げかける一言一言は、受講者の心を動かしていました

 

「人間としての生活とは何か?」と冒頭より投げかけ、私たちの心に強く訴えそして考えさせられる言葉の連続でした。常識が非常識に、非常識が常識に変えること、つまりチャレンジしないといけないという事。潜在的能力を顕在化する事ですよと強く訴えていました。

人間11人を大事にする事とは何か?また、生活期のリハビリとは身体的なものもだが、もっとメンタル的な事なんだ、エビデンス(評価)を元にもっとチャレンジするべきで、その方にしっかり向き合うべきだときびしい話をいただきました。

生活期というのは人間を診て行く事、テーマであり、脳の画像所見と生活期の整合性がないのはどうしてなのか?画像の活用性をもっと意味あるものとして捉える能力を持ちましょう。そして情報を共有していきましょう。我々医療従事者はもっと人間をみていくべきだと強く熱くメッセージを送っていました。

講演では脳画像と生活期にある患者様の様子を照らし合わせて紹介がありましたが、いかに我々の頭がプラトー(高原状態:一時的に進歩が足踏みしている状態)になっているのかとつくづく思い知らされる場面がいくつもありました。術者が無知な事で患者様がいかに悲惨な現状になっているかと会場の皆感じていると思います。人間をみているのであれば、もっとチャレンジしていいではないか。だって生活期の方ですとの言葉を繰り返されていました。

脳は地図。地図を解らずに運転しているタクシードライバーに乗るのは怖い事。医療従事者は目的地にきちんと連れて行ってくれるタクシードライバーであってほしいと願う。なんとなくとか、私はこう思うなどで評価していませんか?アプローチしていませんか?根拠なしに評価、アプローチして患者様の人生に影響を与えていいのか?生活期では多くみられている状況ではないかと問われていました。

なぜ患者様の可能性を無視するのか、権利はどこにあるのか?患者様と向き合い負の連鎖を断ち切って生活期の患者様の可能性を潰さないで下さいという事です。

人間を取り戻すことは生活期で起こっている、「人間はどう歩くかよりもどう生きるかが大切である」のではないか、潜在的能力を顕在化する事を無視しないで本気で向き合う姿勢を持って下さいと繰り返されました。

「たった一言が人の心を傷つける、たった一言が人の心を暖める」・・・。障害のある方が前向きになる関わり方をして、その時かける言葉かけをもっと考える必要がある。ICFでいう環境因子は生活環境だけでなく、目の前のスタッフ達である事を肝に銘じて関わらなければならない。

「可能性を知るという事が大事です」、と吉尾先生の熱意ある生活期の講話をいただき、我々医療福祉従事者のチャレンジ精神と根拠あるエビデンスにて潜在能力を顕在化するという事を念頭にリハビリテーションを展開していきたいと思いました。(W)

 

002IMG_6795.JPG

(つづく)

« 前のページに戻る

TOPへ