苦情処理セミナー開きました(事務長会:その2)

2014年2月26日|

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【苦情とクレームの違い】

「苦情とクレームはちょっと違います」と話し始めた長谷先生の言葉に、受講者は耳を傾けました。その違いとは次のようなものでした。

「苦情(coplaint):医療機関、老健施設への不平・不満の表明。「訪問介護事業所のヘルパーさんの言葉遣いが良くない」、「デイサービスの送迎車の運転手の運転が下手で怖い」というのが苦情。

苦情に対しては正確かつ迅速な対応が必要。不誠実な対応をするとクレームに発展する可能性がある。

「クレーム(claim):医療機関、老健施設に対する何らかの要求行為。例えば「デイサービスでトイレ介助中に介護職員の介護技術が未熟だったため転倒させてしまい、骨折」し、クレームに。

 クレームに対しては、根拠とその妥当性の判断が必要。悪質・過度な要求に対しては特別な対応をとる。

 

【苦情対応のポイント】

 これを踏まえ、苦情対応のポイントとして、長谷先生は次の5つをあげました。

(1)何かしらの不平・不満やクレームであれば、まず謝罪する

・・・施設に非があるなら当然、状況が詳しくわからない場合でもまず謝る。施設に非がなくても、利用者に不快・不安な思いをさせたことに対するお詫びの意味で謝罪は大事。

(2)傾聴する

・・・相手を落ち着かせるためとにかく話を聞く。言いたいことを言い終えるまで反論弁解をせず、時折共感のフレーズ(「ご心配をおかけしましたね」、「ご不安だったでしょうね」など)を交える。※「聞いていますよ」という態度を示すこと!

(3)状況把握に努める

・・・一通り話を聞き、相手が落ち着いたら、状況把握のため質問形式で情報収集。

(4)事情の説明、または解決策の提案

・・・ささいな行き違いがあり、その場の説明で済むと思われる場合には施設の事情やその理由などを自ら説明して了解を得る。何らかの確認や具体的な対応が必要な場合、次にとるべくアクションを忘れない。

(5)最後の一言を忘れない

・・・陳謝の言葉、感謝の言葉を忘れないこと。また再発防止の姿勢を表明する。

 

 この説明の中で、長谷先生は「”傾聴”の体験をしていただきたいと思います」と、受講者に21組になってもらいました。これは、一方が「最近起こった楽しいこと」を2回、それぞれ3分間ひたすら話し、他方がそれを

 ○1回目:「そんな話聞きたくない」という態度を示して聞く

 ○2回目:「話を聞かせて下さい」という態度で一生懸命聞く

という方法で行われました。

 

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(↑1回目の様子。片肘ついた態度に「なんか話しにくいなあ」)

 

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(↑2回目の様子。話す相手を見つめて聞き入る態度に思わず身振り手振りが)

 

受講者からは「1回目ではとても悲しくなりました。せっかく楽しい話をしているのに、なんでそんな態度をとるのだろう、と涙が出そうになりました」などの感想が聞かれました。これを受けて長谷先生は、「話を聞かない態度には色々なやり方があります。そっぽを向いたり、足や手を組んだり、何かをしながら聞いたりすると『あなたの話を聞いていませんよ』という態度になります。『傾聴する』には、相手の目を見て、『一生懸命聞いてますよ』と伝えて聞いていくことがとても大事になってきます」と説明。利用者やご家族、あるいは職員同士で話をする上で、傾聴することの大切さを学ぶ貴重な体験となりました。

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(つづく)

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