苦情処理セミナー開きました(事務長会:その5)

2014年3月3日|

【対応時の禁止行為・対応例】

001IMG_6368.JPG

研修会も終盤になり、長谷 真秀美(ながたに まほみ)先生による講義は、苦情への対応方法に移りました。対応時の禁止行為として長谷先生は次の7項目をあげました。

《対応時の禁止行為》

(1)相手の主張をさえぎらない

(2)議論をしない

(3)責任転嫁をしない

(4)挑発にのらない、挑発しない

(5)頭から否定しない

(6)相手のプライドを傷つけない

(7)暴言をはかれたら、毅然とした態度で対応する

 この中で、「(4)挑発にのらない、挑発しない」については、『気に入らないのなら他の病院(老健)へ行ってくれ』とか、『あなたのような患者(利用者)はうちではみられない』などといった発言は、『診療拒否(サービス提供拒否)をした』と相手方に主張させる材料を与えることになりますので厳禁です」と釘を刺しました。

 その後、「通報するぞ」、「訴えてやる」などの”脅し文句”や、「誠意を見せろ」、「どう責任をとってくれるんだ」などの「曖昧な要求」などといった苦情内容への対応方法について、具体例を示しながら説明すると、受講者は自らの業務上の経験と照らし合わせながら学び取っていきました。

 

【患者(利用者)への対応:接遇とマナー】

研修会の最後に、長谷先生は患者(利用者)とどのような態度やマナーで接するべきかについて言及しました。

その中で患者(利用者)との接遇の心得として「誠意を持って公平に接する」、「迅速に適切な対応をする」、「明るい笑顔で親切に」の3つをあげました。また、マナーの五大要素には、(1)身だしなみ(髪型、服装など)、(2)挨拶(お辞儀、「オアシス」運動)、(3)態度(立ち振る舞い、姿勢、生活態度)、(4)言葉づかい(敬語の使い方、電話対応、対面応対)、(5)表情(明るさ、笑顔、視線)・・・の5つがあることを説明しました。

また「第一印象が重要です」とした上で、「メラビアンの法則」を紹介しました。これは、「人物の第一印象は、初めて会った時の3ないし5秒で決まり、またその情報のほとんどを視覚情報から得ている」というもので、それによると初対面の人物を認識する割合は、「視覚情報(服装・外見・表情)」が55パーセント、「聴覚刺激(話し方・声の大きさ・抑揚)」が38パーセント、そして「言語情報(話の内容)」はわずか7パーセントのみとのことでした。

これを踏まえて長谷先生は「患者(利用者)と向き合う際の自己チェックポイント」として「笑顔:相手を緊張させる表情になっていませんか?」、「まなざし:上からの『みてやっている』になっていませんか?」、「ことば:『ひとことが足りない。無意識、無自覚の『ひとこと』が胸をグサリ!』の3つを呈示しました。

そして最後に「これらを日頃から注意することで、苦情は減っていきます。患者(利用者)や家族とのコミュニケーションで心がけたいことは、『安心と信頼の関係』をつくることです。患者(利用者)や家族と”ウインウイン(Win-Win)の関係を構築していって下さい)と締めくくると、具体的でわかりやすく、実践的な内容が盛りだくさんの講義をして下さった長谷先生に、受講者から感謝の拍手が送られました。

002IMG_6378.JPG

(おわり)

« 前のページに戻る

TOPへ