褥瘡治療学びました(看護・介護部会、その7)
【3–2.褥瘡治療の実際(2)】
褥瘡の深さは初診時に決定しているものの、それを正確に判断するのはむずかしく、急性期の創傷被覆材の使用は慎重を期することや、局所療法をいろいろ変えても褥瘡の程度を浅くすませることはできないことなどの説明があった後、「褥瘡の発症初期に大事なことは、それ以上深くならないように徐圧をすることができるかどうか、ということに尽きます」と津守先生。褥瘡発症時の対応として、継続的な徐圧が非常に重要であることを強調しました。
「どういう褥瘡の治療をやるかというと、色々な方法があります」と、スライドに次のような治療法を例示しました。
(例1)ガーゼ→(デブリードマン)→ゲーベンクリーム→ユーパスタ→フィブラストスプレー
(例2)フィルム→(デブリードマン)→ハイドロサイト→デュオアクティブ
(例3)フィルム→(デブリードマン)→おむつ→穴あきポリエチレンおむつ
(例4)フィルム→(デブリードマン)→手術による閉創
(例5)最初から最後までイソジン消毒、あてガーゼ
その上で津守先生は「どの治療でないとけないのか、ではなく、どの治療法を選択するか、です。いずれにしても徐圧など管理ががきちんとできていればキズは必ず治ります。キズが治るのを妨げるような治療さえしなければ、どのような局所治療を行っても、生きている限りキズは必ず治ります」と栄養状態、全身状態、徐圧などの管理を適切に行うとともに、「やってはいけないこと」をやらなければ、褥瘡は必ず治るとのことでした。
この「やってはいけないこと」の一つとして、「ガーゼを創内に入れるのはやめましょう」として、ガーゼは異物であり、それを褥瘡のポケットに詰め込むことによりポケットの壁が圧迫を受け、阻血壊死に至ることや、炎症をきたし、滲出液も増えて感染を惹起するなどしてポケットが難治化することなどを、実際にその治療を行った事例を交えながら説明すると、参加者は褥瘡を正しく理解し、適切な管理と対応をすることが何よりも重要であると再確認していました。