できるということ

2014年7月22日|

One of the greatest discoveries a man
makes, one of his great surprises, is to find he can do what he was afraid he
couldn’t do.

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1人の人間にとって偉大な発見であり大きな驚きのひとつは、できないと思っていたものができることを知るときだ」

 

・・・このように言ったのはアメリカ自動車産業の父、ヘンリー・フォード(Henry Ford, 1863-1947)。

 「歩けなくなった」、「ご飯が食べられなくなった」、「トイレがひとりでできなくなった」、「買い物に行けなくなった」・・・などなど、老健施設で働いていると、加齢とともに利用者の心身の機能が衰え、「それまでできていたことができなくなってしまった」という場面に少なからず遭遇します。「できない」という現実をつきつけられ、それに対するあきらめや悲嘆、怒りなどが引き金となって更なる「できないこと」へとつながり、連鎖反応的に色々な事ができなくなってしまうような事態は絶対に避けなければなりません。

 だからこそ老健施設には様々な専門知識・技術を有するスタッフがいて、各々の専門性を発揮しながら、総合的かつ継続的なケアを提供することが求められているのだと思います。したがって、他職種の連携を密にし、利用者本位のケアプランに基づく統一したケアを行っていくことが必要です。そして人的、物的、社会的といったあらゆる環境を有機的に整備することで、「できない」と嘆き、悔やんでいたことを「できる」という喜びに転じることができれば、それが更なる「できること」へとつながっていくのではないでしょうか。

 そのためにはやはり「他職種連携」がキーワードです。連携を密にして、「真の老健力」を発揮し、利用者ひとりひとりの「できること探し」の大航海に乗り出しましょう。そして「偉大な発見と大きな驚き」の島にたどり着くことができれば、それは利用者にとって大きな生きる喜び、新たな生き甲斐へと必ずやつながっていくものと信じています。

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