「R4システム」触れて学びました(ケアプラン部会:その1)

2017年3月6日|

 高齢者ケアプラン研究部会は2月25日、JAアズム別館でリーダー研修会を開きました。R4システムを学ぼうと33人が受講しました。001IMG_0598

 開会にあたり、介護老人保健施設ひむか苑施設長で当協会の櫛橋弘喜会長が挨拶を行いました。002IMG_0587004IMG_0584

 全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」は公益社団法人全国老人保健施設協会(全老健)が老健でのケアを老健の理念にかなったものにするべく開発され、2010年11月に産声をあげました。「老健」の頭文字「R」、そして4つのくくりが随所に出てくることから「R4システム」と命名されました。老健が老健らしくあるためにいかにケアを提供したらよいか、そのためにケアプランはどのようにすべきか、ケア実施にあり方や評価、モニタリングのしかたはいかにあるべきか?などがR4システムには盛り込まれています。

※この全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」ファイルは全老健ホームページからダウンロードできます。

 同部会ではこれまでも「R4システム」に関する研修会を実施した経緯がありますが、今回は初めて「R4システムを実際に『触れて学ぶ』」形式をとりました。開催に当たってはNDソフトウェア株式会社様のご協力を得て、受講者実習用パソコン20台を用意しました。

 講師は全老健ケアマネジメント部会委員を務められている和歌山県の医療法人明成会介護老人保健施設紀伊の里の施設長、山野雅弘先生にお越しいただきました。山野先生は全老健の管理運営委員委員長や人材対策委員会委員も務められています。著書や多くの執筆活動、そしてこのR4システムの普及のため全国を精力的に飛び回っておられます。そんなご多忙の合間を縫って来県下さった山野先生による研修会は「R4システムに関する研修会~ICFステージングをマスターしよう~」というテーマで進められました。003IMG_0593

 ICFステージングは、全老健が独自に開発した利用者の心身機能評価ツールです。利用者の心身機能が改善したか?悪化したか?に関し、14項目の心身機能(「できるか?」ではなく「行っている事実」)を1~5で簡単に評価・記録することができるICFステージングは、全職員が使え、ケアの質の向上にも役立つだけでなく、評価の質の向上につながるマネジメントシステムを構築することで、根拠に基づいたケアの実施が期待でき、自発的で多様なアプローチも可能になるそうです。医療の世界では根拠に基づいた医療(EBM)が当然になっている一方で、介護の世界では客観的な利用者目線の指標がないことから「介護の質の評価に挑む」ため、ケア側の主観が入らない客観性のある指標を設けたのがICFステージングの意義であるとのこと。受講者は「基本動作」や「社会参加」、「歩行・移動」、「認知機能」、「食事」など各項目における指標や判断基準がICFステージングに明示されていることを実際にパソコンを操作しながら確認していました。このICFステージングはイラスト付きの解説により、職員が判定しやすいだけでなく、利用者や家族にも大変わかりやすいように工夫が施されていました。005IMG_0634

 さらに生活リハビリ視点でのICFステージングは、ケア介入前後の状態像の変化や継時的な変化についても、折れ線グラフやレーダーチャート、そしてイラスト、などにより客観的で簡単に把握できるようになっていました。「日常的にしていること」と「やればできること」の対比がわかり、リハビリの目標が設定できたり、現時点のICF Standingを知って自立支援のきっかけにできたりするなどの利点があるとの説明に、受講者はこれまでの自施設でのやりかたと比較しながら興味深く見入っていました。006IMG_0612

(つづく)

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