「働く生きがい」学びました(看護介護部会:その1)

2018年6月26日|

 (公社)宮崎県老人保健施設協会看護介護研究部会は6月16日、宮崎市のJAアズムで人材育成研修を開きました。50人が受講し、働く生きがいについて学びました。

 開会にあたり、同部会の坂下和代委員長が挨拶を行い、研修会が有意義なものとなるよう、積極的な参加を呼びかけました。  今回の研修テーマは「介護施設で働く生きがいを作る~身につけたいこと~」。講師は昨年大好評だったオフィス・アールの代表で人材育成コンサルタントの島原竜一先生に今回もお願いしました。島原先生は研修会の目的として「対人援助として、信頼される職員になるために、大切なスキルを身につける」を掲げ、研修の約束事として「積極参加」、「積極傾聴」、「好意的関心」の3つを示しました。

 研修ではまず「社会のはなし」として団塊の世代が全て75歳となる2025年には、75歳以上が全人口の18%となること、2060年には人口は8,674万人まで減少するが、65歳以上は全人口の40%なることなどを説明しながら「これから働く人が減っていきます」と指摘。これを踏まえて組織にこれから必要なこととして「今いる職員を辞めさせない環境や制度」、「若者が働きたいと思える職場づくり」、「今いる職員のレベルアップによる組織力の向上」の3つをあげました。

 次に「アクティブリスニング」の練習として2人一組となりペアワークがありました。話し手のテーマは「最近楽しかったこと」。それを3分間相手に話し、聴き手は「カウンセリングの角度」である「相手の膝と自分の膝を90度」にして聴き入りました。ただし、聴き手は耳は傾けつつも、あえて「目を合わせない」、「うなづかない」、「声を出さない(相づちを入れない)」などの態度をとり、「二度と話をしたくなくなる」という事を体験しました。

 「『話を聴いている』と判断するのは話し手です。『聴いている』ということを伝えることが大事です。同僚や部下や先輩が話しかけているときに携帯電話を操作しながらだと『聴いていない』と感じます。職場の人間関係がうまくいくために、相手の話の興味とは関係なく『話を聴く』という態度が職場をつくります」という説明に受講者は納得の表情を見せていました。さらに島原先生は聴く姿勢が与える影響に関する「メラビアンの理論」について説明。話を聴く時の表情・態度は相手が目で判断し、実に全体の55%を占めており、声(相手が耳で判断)は38%と続き、相手が脳で判断する言葉そのものはわずか7%しかないとのことでした。

 「『傾聴』は『耳+目+心』です」と板書で示した上で、島原先生は今度は「目を合わせる」、「うなづく」、「声を出す(相づちを入れる)」に留意してペアワークの再会を指示。さきほどとは逆の「話を聴いてくれている」という実感を学びながら、ペアワークは和気あいあいと進みました。

(つづく)

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