全国大会埼玉開かれました(その4)

2018年10月30日|

 特別講演に続いて「全老健名誉会長講演」がありました。講師は全老健の漆原 彰名誉会長。漆原名誉会長は平成元年12月の全国老人保健施設協会創設時から常務理事・副会長として協会運営に携わり、平成15年から19年にかけて会長、平成19年からは名誉会長を務められています。

 漆原名誉会長は昭和44年に医師となり、日本医科大学附属病院老人科に入局。12年間そこで働く中で「患者さんを診療するというより、高齢者医療のあり方ばかり考えていました」と切り出しました。「寝たきり老人」が増えるのを目の当たりにしながら、医療の目的は病気を治すだけでなく、在宅や地域社会に戻すことが重要で、「老人福祉の現場には医療がもっと関わらないといけない」と考え続けていたそうです。

その上で「老人保健施設の原点と、時代背景」というスライドを示し、昭和60年当時、(1)高齢者の介護は自宅や福祉施設、そして病院、(2)家庭での介護力低下(3)在宅ケア支援サービスの絶対的不足、(4)低い介護の質、(5)退院する場のない高齢患者(社会的入院)、(5)進まない医療・福祉の連携、(6)増え続ける寝たきり老人と、その医療費の増加・・・といった様々な状況を一挙に解決する中間施設構想が持ち上がり、老人保健施設制度が創設されたことを振り返りました。

 これに先立ち昭和56年に大宮共立病院を開設、昭和59年社会福祉法人欣彰甲斐を設立し、病院を中心とした各種施設による医療、介護、福祉の複合施設群を形成し、地域作りに取り組んで来た漆原名誉会長は「老健そのもの以前から関わることができたのは幸運でした。老健は非常に愛着ある施設です。老健との関わりが私のライフワーク」と目を輝かせました。

(つづく)

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