全国大会埼玉開かれました(その5)

2018年10月31日|

 全老健の漆原 彰名誉会長はこのように老健が誕生して30年余り、その間諸問題を一挙に解決する大きな役割を果たしてきた実績を回顧しつつ、「しかしこの30年で世の中は大きく動きました」と述べて、「時代とともに変わった高齢者介護の姿」というスライドを示しました。その中で(1)高齢者像の変化、(2)地域や家族の変化(地域や家族の変化や想い)、(3)介護保険サービスの量的拡充(競争原理)、(4)国の財政を中心とした社会的保障政策・・・の4点を挙げ、それぞれについて説明がありました。

 このような情勢変化を踏まえ、漆原名誉会長は「地域に選ばれる老健になるために」と題し、次のような提案を掲げました。

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○高齢者の多くは在宅で生活、またはそれを望んでいる(圧倒的な在宅高齢者)

○老健の魅力は医療・リハビリテーションと総合力

○介護老人保健施設は「在宅生活支援施設、求められる多機能化・連携強化

○質の高いサービスが大前提、揃えておきたいサービスメニュー

○相談体制の充実(総合在宅生活支援センター機能)

○問われる「選ばれる・・」へ→全て相手の立場、相手の目線で対応

・本人以上の家族支援の視点(複雑な心情をまるごと受容)

・NOと言わない

・緊急時・困ったときの保証

・営業範囲は小さい。最も大事な評判・口コミ

・地域・介護家族にも言われたい「うちの施設は・老健は・・」

☆ケアの質も量も・・「人は宝」老健施設に限らず、これからの人材不足の中、「職員に選ばれる施設」になる取り組み

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 そして、「老健はたくさんの昨日を持っています。質の高いサービスを提供しています。それを前提にして明日からでもすぐ実行できることとして3つを提案します。まず『必要な事の即対応』。家族が相談に来たときにすぐ対応できるようにすることです。次に『NOと言わないこと』。そのためには施設の機能を超えていても対応でき、何らかの答が出せるように、あらかじめ地域連携しておくことが大事です。それから緊急時、困ったときの保証です。この3つがちゃんとできれば効果絶大であることは実証済みです。是非帰って検討して欲しいと思います。地域や家族に『うちの老健は・・・』と言われるようになったらしめたものです。また人は宝です。人材不足の中、職員から選ばれる施設にもなって下さい。老健がこれからも老健らしくやるために役割を果たし、相手の目線でまるごと応えることが最も大切だと思います」と会場に呼びかけて講演を締めくくると、参加者からは割れんばかりの拍手がおくられました。

(つづく)

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