第15回大会開きました(その7)

2019年1月11日|

 東会長は平成25年度から同28年度にかけて延べ32カ所、525名に実施した介護予防サロンのモデル事業について説明を続けました。体操をはじめグランドゴルフ、ハンドベル演奏の他、「お好み焼き作り(大阪)」、「梅ヶ枝餅作り(福岡)」など地域色豊かな取り組みが紹介されたあと、介護予防サロンの効果として、(1)いきいきとした(意欲の向上)、(2)新しい人とのつながりができた(関係性の創出)、(3)昔の趣味を共有できた(個性の発現)、(4)サロンの開催が楽しみになった(生活リズムの創出)・・・の4つが、参加者の声とともにスライドに示し、サロンには多様な有用性があることを力説しました。

 「運転免許返納を考えている高齢者もいる中、私の施設では『お買い物クラブ』というものを考えていて、現在準備中です」と東会長はさらに続けました。「色々な理由で買い物ができない人を、年会費を1000円で買い物に連れて行くというものです。デイケアの車を昼間使用し、曜日を決めて回り買い物をしてもらいます。また年に2回くらいは花見などの企画を考えています。生活の手段である買い物を老健が手助けする、これが本当の在宅支援です。お買い物クラブに登録してもらう人はいずれフレイルになる。すると今度は介護予防サロンに来てもらう。さらに悪くなったら私の施設の介護保険サービスを使ってもらうわけです。なのでフレイルの人や健康・自立の人を考えてもらうことが大事です。政府は認知症の人の運転免許を取り上げ、そのために自動運転の車を走らせようとしています。大変なお金がかかります。それよりも老健の送迎車でお買い物サービスをしてやるとお金はかかりません。そのことを老健から発信していくことが大切です。老健が介護予防サロンをやると色々な効果がありますが、難しいのは対象者をどうするか、フレイルの人をどうやってみつけるかということです。だからお買い物クラブをやって欲しいと思います。2つを切り離すのではなく一緒にやって欲しいと思います」と、「介護予防サロン」と「お買い物クラブ」を連動させた地域貢献活動が、真の老健の未来への投資になることを説く東会長に、参加者は自施設での実践を念頭に置きながら真剣な表情で耳を傾けていました。

(つづく)

« 前のページに戻る

TOPへ