介護ロボット宮崎フォーラム開きました(その1)

2019年11月4日|

10月22日午後から、宮崎市のニューウェルシティ宮崎で「介護ロボット宮崎フォーラム」を開きました。このフォーラムは厚生労働省の「介護ロボットの普及拠点事業」の一環として、当協会が主催したもの。当日は介護を学ぶ高校生もなど100人が参加し、会場は満席となりました。

まず「介護ロボット導入支援事業に係る宮崎県の取り組みについて~県が介護ロボット導入に係る経費を助成します~」題し、宮崎県福祉保健部長寿介護課の服部達哉主査による講演がありました。介護ロボットの定義に始まり、介護ロボット導入支援事業の概要、対象となる介護ロボットの要件、補助対象経費・補助額、申請の流れおよび採択基準などについて説明。実際に介護ロボットを導入した効果として「見守り・コミュニケーションロボットでは不必要な見守りは訪室の時間が減った。入所者の状態に合わせた設定が可能で転倒などのリスクが減り、職員の精神的負担軽減につながった」、「移乗支援ロボットでは力がない職員でも体重の重い利用者の移乗ができるようになった。利用者が職員に気兼ねなく離床できるようになった」などが示されると、受講者は自施設での導入も視野に入れながら、興味深く聞き入っていました。

続いて、「食事介助時間を短縮するための工夫~配食選別ロボットの提案~」と題し、一般社団法人宮崎県作業療法士会の津輪元修一会長の講演がありました。

講演は(1)介護ロボットニーズ・シーズ連携協調協議会の概要、(2)作業療法(士)の紹介、そして(3)食事介助を短縮するための工夫 ~配食選別ロボットの提案~」という流れで進められました。

講演ではまず少子高齢社会で介護負担が増加する中、その解決策として「元気な高齢者の雇用促進」、「外国人労働者の雇用促進」と並び「介護ロボットの活用」があることを提示。この介護ロボットを導入する介護施設等において、解決すべき課題(ニーズ)を調査し、それを解決するための要素および周辺技術(シーズ)とマッチングさせ、施設における介護業務の中でより効果的な介護ロボットの開発が促進されることが重要であることに鑑み、2017年度、「介護ロボットニーズ・シーズ連携協調事業」に関われる民間の団体・組織を厚生労働省が公募したのが発端。今年度の事業公募では一般社団法人日本作業療法士協会が事業を受託。50の協議会を各都道府県に設置、年度末に成果物を報告するとのこと。また今回のフォーラムもこの事業の一環として全国で開催されているとのことでした。

この中で宮崎県の協議会が取り組んでいるのが「食事介助時間を短縮するための配食選別ロボット」。ニーズ調査、課題分析、そして課題解決のための新規ロボット等について協議、検討を重ねながら取り組んでいるものだそうです。全ての食器に個人ごとに記録されたICタグがあり、配膳車への格納場所が指示され、取り出すトレイトレイをLEDとOLED画面で案内し間違いの無い配膳ができる仕組みや、下膳の際、配膳車にトレイを載せると重量を計量し、食事摂取量を記録する工夫が紹介されました。

(つづく)

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