「相談員の役割」考える研修会開きました(在宅・支援相談研究部会:その6)

2023年8月1日|

そして「(5)本人が町を支える」では、宅配におけるラストワンマイル(お客様へ商品を届ける物流の最後の区間)を、小規模多機能型居宅介護施設の認知症の利用者が担当し、スタッフと共に各家に届けている様子が動画で紹介されました。

手渡しでダイレクトメールを配ることで、利用者と地域住民とのつながりができ、利用者本人が安心して外出できる町の環境を作っているだけでなく、労働の対価として報酬も得ている姿は、リハビリテーションが目指す社会参加の実践そのものでした。

全国からも熱い注目を浴びているこの取り組みについて説明した後、猿渡室長は再び「地域共生社会」のスライドを提示した上で「地域共生社会は『For』から『With』への転換です」と、「誰かのためにしてやる社会」ではなく、「地域の人と資源を循環させ、すべての人が一緒に、支えたり、支えられたりしながら創っていく、誰もが役割と生きがいを持つ社会」である地域共生社会の意義を力説しました。

最後に猿渡室長が、このような取り組みを実践、継続、発展させていくためには「鳥の目(目先のものごとに捕らわれず、マクロな視点から大局観を見る目、機能で解決する力)」、「虫の目(ものごとの細部までつぶさにチェックする目、日々の営みの中で不都合を把握する力)」、「魚の目(過去から現在、そして未来へ続く時代の流れを読む目、過去の潮流や潮目を読む力)」、そして「コウモリの目(固定観念を疑う目、誰のために、何のために自分達が存在するのか)」という4つの目の必要性を述べて講演を締めくくると、会場からは感謝の拍手が惜しみなく送られました。

(つづく)

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