「非常時の食事」学びました(栄養・給食部会:その4)

2023年8月25日|

講演も終盤になり、講師のアルファー食品株式会社営業本部福岡営業所の清武智シニアアドバイザーは、家庭での非常食備蓄状況に関するアンケート調査結果について、資料を用いて説明しました。それによると、全体の86.7パーセントが非常食の賞味期限切れを経験したとのこと。この実態を踏まえ、備蓄した食品を定期的に消費し、食べた分だけ買い足していく「ローリングストック法」が有効であることを示しながら「『賞味期限が切れたものを食べてよいか?』とよく聞かれますが、我々メーカーとしては『食べないで下さい』と言っています。保存しているところがわかりませんし、メーカーの命取りになります」と付言しました。

さらに同社の商品カタログを示しながら「一番大事なのはアレルギーについてです。災害時には精神的な不安が高まり、身体の免疫力も落ち、普段は何もなくても、ストレスがかかることでアレルギーが出てしまうことがあります。また災害を免れ助かったものの、食べるものがなく、しょうがなく食べたり、自分にアレルギーがあることを忘れて食べたりしたところアレルギー反応が出た人もいます。当社の長期保存食は、特定原材料等28品目を使用していません。一般的にはこの28品目に対応したものを備蓄することが重要です」と注意を促しました。

そして日本災害食学会が定めた「日本災害食 認証基準」について、資料を用いて説明しながら、「口に入れるものですから、自主検査だけでなく、ISO22000、FSSC22000等、食品安全に関する国際規格の認証を取得した施設で製造された安心、安全な保存食を備蓄することが大切です」と強調しました。

わかりやすく、施設での実践に活用できる清武シニアアドバイザーの講演に、参加者からは感謝の拍手がおくられました。

(つづく)

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