研究大会開催しました(研究発表)

2012年3月27日|

  特別講演に続いて行われたのは、各会員施設の職員による研究発表です。各々の職場で生じた様々な問題や疑問に、各専門職種が連携して解決への糸口を探求し、試行錯誤を繰り返しながら問題を打開していった一連の過程をまとめ上げて発表された演題数はなんと39!これは今までの大会の中で最多となるもので、いずれの老健施設でも、利用者お一人おひとりを思いやり、より良いケアを提供しようと、日々邁進していることの表れだと言えるのではないでしょうか。

 研究発表は8つの分科会が4つの会場に分かれて行われました。第2分科会の「看護・介護」の部では、トトロみのる園の看護職、波越明美さんが、「入所者の急変時対応を見直して」と題し、急変時の対応の流れと施設間の連絡システムを見直した結果、状態把握と早期対応の向上や、業務の効率化などにつながった事例を報告しました。

 第3分科会の「リハビリテーション」の部では、ひむか苑の作業療法士、廣瀬裕佳さんが、「塗り絵を通して見えてくる認知症高齢者の心理」と題し、治療的作業活動としての「塗り絵」を導入し、色彩心理の観点から観察、評価を行った結果、利用者が無意識に選択する色を通して、完成までの心理的傾向が推測できたことに加え、その色によるセラピー効果も導き出せたことを報告しました。

 第4分科会の「介護」、「栄養」の部では、サンフローラみやざきの介護福祉士、井上和幸さんが、「もう一度母さんの声が聞きたい」と題し、経管注入食の利用者が、経口摂取へ移行したことをきっかけに、本人の表情に変化が現れただけでなく、家族もケアに積極的に関わることで、あらたな生きがいを見出すようになった事例を発表しました。

 第8分科会の「支援相談」「事務」「介護支援専門員」の部では、しあわせの里の支援相談員、笠原章寛さんにより、「施設のイメージと評価」と題し、通所リハビリテーション利用者獲得の一環として、居宅介護支援事業所のケアマネージャーから聞き取り調査を実施し、その結果をもとに自分たちの仕事を見直し、各職種における対策の立案、実行を行ったところ、居宅ケアマネとの関係が深まり、新規利用者を紹介してもらえるようになるなどの成果が現れた取り組みが報告されました。

 いずれの分科会でも会場からは熱心な質問や意見が相次ぎました。それぞれの老健施設や職種が抱える悩みや問題を共有するとともに、優れた取り組み事例からその解決策を学ぶ貴重な機会となりました。

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