斧の柄は朽ちない

2012年7月25日|

 「イチバーン!」と雄叫びをあげていたIWGP王者、ハルク・ホーガン。必殺技はもちろん”アックスボンバー“。右腕をまさしく斧のように構えて猛ダッシュ。アントニオ猪木をリング下に沈めたシーンは衝撃的でした。

 そのハルク・ホーガンも、これには「オーマイガッ!アックスのハンドルがディケイしないとはミステリアスね」と驚くかどうか!?そんなすごいニュースがありました。それも我らが宮崎県で。

 76日付けの宮崎日日新聞によりますと、宮崎市の中須遺跡から木製の柄がついた石斧(せきふ)が出土したとのこと。それがなんと2000年前のものですよ!柄がついた状態での出土は県内初!!九州でも3例目というからすごい発見です。そのすごさは、ことわざさえも平伏するほどです。

 そのことわざは「斧の柄朽つ」。広辞苑には「わずかな間と思っているうちに、長い年月を過すこと」とあります。なんでも「述異記に『晋の王質が木を伐りに山に行って、仙童の囲碁の一局を見終らないうちに斧の柄が朽ちているのに驚いて、村に帰ると、知人は皆死んでいた』とある故事に基づく」というれっきとしたことわざです。

 それがですよ。2000年経っても柄が朽ちていないときたもんですからびっくりです。このことわざ、もう本来の用い方はできないかも。つまり、「斧の柄朽つ」とは、「斧の柄が朽ちるくらい、ものすごーーーーーく長い年月が経ってしまうこと。なお、2000年では斧の柄は朽ちず、さらに長い長い長い年月を要する」というふうに(-_-)

「発掘場所が水分を多く含み、木材が腐りにくい環境だったことなどから保存状態がよかった」と記事にはありましたが、この石斧を作った弥生時代の人も、そこまで長持ちさせようと思って作ったわけではないでしょう。いずれにせよ、古事記編さん1300年で盛り上がっている本県だけに、今回の大発見は、いにしえへのロマンが一層加熱すること間違い無しですね。

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