高速アルペジオは永遠なり

2012年7月31日|

 ディープ・パープルのキーボード奏者、ジョン・ロード氏が716日亡くなられました。その訃報は代表曲の一つ、「ハイウェイ・スター」のごときスピードで世界を駆け巡りました。往年のロック少年・少女にとって、これはかなりショッキングな出来事だったと言えるでしょう。

 この「ハイウェイ・スター」。アルバム「マシン・ヘッド」の一曲目、というより一発目に収録されているのですが、初めて聴いたときはぶっ飛びたまげました。すさまじい迫力のイントロ、そして”のーばでぃごなてまいかー、あごなれーしーつーざーぐらーっあーああ“で始まるボーカル(正しくは”Nobody gonna take my car I’m gonna race it to the graund“ですけど・・・)。

 そしてそして、今や伝説とも言えるジョン・ロードのキーボードソロ!一体指が何本あるんだろう?と思うような超速弾きが始まります。それまでのロックシーンにおいて、ここまで攻撃的なキーボードは体感したことがありませんでした。何といってもあの高速アルペジオ(分散和音)!ロックでありながらも、クラシックの要素を取り入れながら、音楽性豊かに展開していくのでもうたまらん!です。後にハモンドオルガンをぐらんぐらんと揺さぶりながらステージ上で弾きまくるジョン・ロードの姿を映像で見て、改めて感動したものでした。それまでキーボード奏者と言えば、バンドの中でも最も目立たない存在で、ボーカルやギターの後に隠れて細々と演奏してたイメージがあったのですが、それを打ち破ったのがジョン・ロードではないでしょうか。

 もちろん世界中のギター小僧にとっては、その後に流れてくるリッチ―・ブラックモア(言うまでもなく、伝説的ギタリストです)のギターソロを聴き捨てるわけにはいきません。同じくディープ・パープルの伝説的名曲、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のギターソロと並んで、かつてのギター小僧なら必ずと言っていいほど練習したフレーズです。    

 昨年、自らが癌であることを告白し、闘病生活を送っていたとのことですが、ロックのみならず、音楽史に一時代を築いたジョン・ロード氏の71歳での訃報は、残念でなりません。しかし、数々の名曲を世に残して下さったことには感謝の気持ちで一杯です。

 私たちが働く老健施設においても、これから遠くない将来、若かりし頃にこのディープパープルに酔狂した方々が利用されるようになることでしょう。そうなったら、入所者の朝のお目覚めソングに、この「ハイウェイ・スター」が流れるようになるかもしれませんね。そうなったらすごいだろうなあ。”おーらーい、ほーたーい、あーいまー、はーいうぇーすたーーー“などと叫びながら飛び起きるかもしれませんね(^_-)-☆(※正しくは”Alright, hold tight I’m a highway star“)。

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