研修会開きました(支援相談部会:その4)
櫛橋弘樹先生講演「医療依存度の高い高齢者への対応」骨子}
【医療依存度の高い要介護高齢者の受け入れ課題】
(1)日中・夜間の職員配置
(2)施設間連携の状況
(3)現場の業務負担
(4)介護職が実施することを検討すべきケア内容
(5)看護師・介護職の連携
【(1)日中・夜間の職員配置について】
〇日中・夜間の看護職員一人あたりの入所者数を、新規入所者を基本的に受け入れている施設とそうでない施設とで比較すると、IVHによる栄養管理、気管切開(カニューレ有り・無し)経管栄養(経鼻)において受け入れている施設のほうが看護職員一人当たりの入所者数は少ない。
〇夜間においては特にIVHによる栄養管理、経管栄養(経鼻)、酸素療法で看護職員一人当たりの入所者数は少ない。
※医療依存度の高い要介護高齢者へ対応するためには、看護師の日中・夜間の職員数の増員、特に夜間配置の強化が求められる。
【(2)施設缶連携の状況】
夜間に病院や診療所と連携している施設ほど、医療的ケアの必要な新規の入所者を受け入れている。
今後医療依存度の高い要介護高齢者の受け入れを拡大する課題として、医師の指導・管理、連絡体制の強化が求められる。
【(3)現場の業務負担感】
時間帯によって課題が生じやすいケア内容としては気管切開(カニューレ有り)、喀痰吸引、その他人工呼吸があげられる。
今後受け入れ拡大にあたっての課題:業務量増加に伴う看護師の不足、医師の指導・管理、連絡体制の強化。
【(4)介護職が実施することを検討すべきケア内容】
〇介護職の業務を拡大すべきケア内容:「経管栄養」、「人工肛門」、「喀痰吸引」準備や片付けといったケアの一部。
《介護職の業務拡大の検討》
※看護師不足は医療的ケアの受け入れ制限につながっている。
※看護師の大幅な増員は困難であり、今後介護職の業務範囲の拡大は必須。
〇医療的ケアのうち、準備や片付けを介護職が実施することで、看護師の業務負担の軽減になり、他の医療的ケアに専念できる。
※日常的にケア提供や観察が必要である点からも、入所者に近い存在の介護職が医療的ケアに関わることが臨まれる。
【(5)看護師・介護職の連携:看護師と介護職の連携促進に向けた取り組み】
食事介助や口腔ケア、疾病管理といったケアの領域において、看護師と介護職とでケア提供上の問題に対する認識の違いが大きい。看護師と介護職とでそれぞれのケア目標を共有するほか、業務手順など、ケア提供方法を共有することが重要。
(終わり)