研修会開きました(支援相談部会:その3)

2012年10月15日|

櫛橋弘樹先生講演「医療依存度の高い高齢者への対応」骨子}

 

 

【介護老人保健施設において新規入所者の受け入れを制限している理由】

○気管切開、その他人工呼吸、IVHによる栄養管理・・・看護師や医師の不足・不在なため、緊急時対応の体制が不十分なため。

○酸素療法、末梢輸血・・・人員の問題のほか経営上の問題から。

○経管栄養(経鼻)、喀痰吸引・・・ケアのための時間確保が不十分なため。

気管切開、IVHによる栄養管理経管栄養(経鼻)において、受け入れている施設は看護職員一人あたりの入所者数は少ない。

※酸素療法、IVHによる栄養管理、経管栄養(経鼻)において、夜間の看護職員一人あたりの入所者数は少ない。

 

【時間帯によって生じる課題の内容】

〇気管切開(カニューレ有り):夜間看護師が夜勤をしていない日があり、併設医療機関から看護師を呼ばなければならず、すぐに吸引ができない。夜間看護師が少ない。客痰吸引が必要な利用者が重なると、現在の人員配置では対応できない。

〇喀痰吸引:看護師がいない時間帯がある。対象者が多くなると、夜間1人ナースでは対応できず、ナースは介護職同様の仕事分担もある。食後痰がからみ、誤嚥によりむせ込む。

〇その他人工呼吸:看護、介護職の配置数が少なくなるため、1人の上に対応していると、他への対応や、他の方への影響等あり対応困難を生じる可能性が高くなる。夜間は看護・介護の人員が少なくなる。

 

【受け入れ拡大上の問題】

○看護師が担当している業務量が増えるため、現行の人員体制では対応できなくなる。

○医師の指導・管理、連絡体制を強化する必要がある。

○施設設備を変更する必要が生じる。

 

【介護職の業務が拡大した場合の今後の受け入れ方針】

※介護職の業務拡大により受け入れ数の増加が見込まれるケアのうち、

〇現在受け入れている施設がさらに受け入れ増加:経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻)、人工肛門、リハビリテーション

〇現在受け入れを制限しているが、業務拡大によって受け入れる:バルーンカテーテル、人工肛門、インスリン投与

酸素療法、経管栄養、喀痰吸引等の医療的ケアにおいて、50%以上の看護・介護職員が緊急時・異常時の早期発見、早期対応について負担を感じている。

 

【新規に受け入れ困難なケア内容】

〇その他人工呼吸、IVHによる栄養管理、気管切開(カニューレ有り・無し)、経管栄養(経鼻)、酸素療法、抹消輸血、疼痛管理、喀痰吸引

50%以上の施設が看護師や医師の不足・不在、緊急時対応の体制が不十分なため受け入れを制限。(続く)

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