研修会開きました(栄養給食部会:その2)

2012年11月19日|

 講話に続き、「ソフト食・ミキサー固形食への移行」と題し、シルバーケア野崎の管理栄養士、中島玉江さんが事例発表を行いました。同施設では、従来の副食形態(常食、きざみ食、大きざみ食、ミキサー食)が、見た目が良くない事に加え、誤嚥の危険性もあったことから、新しい形態(常食、ソフト食、一口大食、ミキサー固形食)に変更し利用者に提供しています。

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 発表では昨年4月に始まった高齢者ソフト食導入の打合せから、全職員を対象にした勉強会や試食会、栄養士全員による研修会受講など、一連の取り組み状況が、報告されました。

 またミキサー固形食については、「密度が均一」、「適当な粘度がありバラバラになりにくい」、「口腔や咽頭を通過するときに変形しにくい」など、ミキサー固形食に適した条件を示した上で、「ゼリーなどの食塊をスライス状になるようにすくうことで、くずれることなくスムースに口腔や咽頭を通るし、スライス型にすることで奥舌に乗せて丸飲みするのにもよい」とミキサー固形食のスライス方法を紹介しました。

 引き続き、「高齢者ソフト食とミキサー固形食における施設での取り組み」と題し、慶穣塾の管理栄養士、黒木清子さんの事例発表がありました。同施設では117日現在、入所利用者の54%にソフト食を、そして6%にミキサー固形食を提供しているとのことです。

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 発表ではそのソフト食を導入するまでの経緯や、ソフト食を毎食導入できるようになって1年経過してから取り組みを始めたミキサー固形食について報告がありました。

 その中で、ミールラウンズを実施して食事形態が合っているか?誤嚥はないか?などを確認したり、利用者や家族の訴えに耳を傾け、栄養課のスタッフのみならず、他職種と情報を伝達・共有することなどにより、「自力摂取できるようになった」、「残食が減少し、喫食率が向上した」、「低栄養状態が改善した」などの成果が見られ、QOL向上につながったことが報告されると、受講者は高い関心を示していました。

 今後の課題として黒木さんは、出来上がりにムラがあることや、ソフト食の食材の限界があることに触れつつ、「利用者の家族にも利用者と同じ食事を食べていただき、食事作りの在宅支援を行い、高齢者ソフト食を地域へ広めたい」と意欲を示して発表をしめくくると、受講者からは惜しみない拍手が送られました。

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(続く)

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