激しい雨と強い雨

2013年7月9日|

 「あん時ゃどしゃ降り」を歌ったのは演歌の大御所、春日八郎(1957年)。一方、「激しい雨が」を歌ったのはパンクロックというか、めんたいロックの大御所、ザ・モッズ(1983年)。どちらの歌の中でも主人公は傘をさすこともなく、ずぶ濡れになっています。

 さて、この「どしゃ降り」と「激しい雨」。どちらも弱々しい雨ではないというイメージは湧きますが、両者に違いはあるのでしょうか?

 調べてみると、気象庁のホームページに「雨と風の表」(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/amehyo.html)というのがありました。これによると、「どしゃ降り」というイメージを受ける降り方は、予報用語で言う「強い雨」。1時間雨量で20ミリ以上30ミリ未満だそうです。一方、「激しい雨」は予報用語であり、人の受けるイメージは「バケツをひっくり返したように降る」雨。30ミリ以上50ミリ未満ですから、「どしゃ降り(強い雨)」より雨量が多いことがわかります。

 いずれの降り方も人への影響として「傘をさしていてもぬれる」とあるので、上記の2曲とも、傘をさしていないのはそのためなのか?と推測されます。

 歌の話はともかく、同ホームページによると「強い雨(どしゃ降り)」では「小規模の崖崩れが始まる」、さらに「激しい雨(バケツをひっくり返したように降る)」だと、「山崩れ・崖崩れが起きやすくなり危険地帯では避難の準備が必要、都市では下水管から雨水があふれる」と、それぞれの危険度が示してあります。

 さらに1時間雨量がもっと多くなる、「非常に激しい雨」(50ミリ以上80ミリ未満、「猛烈な雨」(80ミリ以上)についても説明がありますが、ここまでになるとますます非常に危険な状態となることがわかりました。

 7月8日に梅雨明けが発表されましたが、台風や大雨など、これから自然災害への備えがより一層重要になってきます。テレビやラジオなどの気象情報を的確に把握して防災に役立てるために、気象に関する基礎的な知識を身につけておく必要性を感じた次第です。

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