千慮の一失(せんりょのいっしつ)

2011年8月9日|

   知恵ある者でも、多く考えているうちには、一つぐらいの思い違いや失策がある、という「史記」から出たことわざです。「だから失敗するのはしょうがないんだ」と開き直ってよい、ということではなく、「失敗しないように常日頃から気をつけましょう」という訓戒であるととらえるべきではないか、と思います。それにしても、こうも暑い日が続くと、雑念が次々と湧き出てきたり、はたまたぼんやりとしてしまったりして、ついつい集中力がとぎれがちになったりはしないでしょうか。

 パソコンの頭脳であるCPUcentral processing unit:中央処理装置)も、熱さは苦手。無理に無理を重ねると、「熱暴走」と言って、パソコンも熱中症のような症状に陥ってしまいます。自分でパソコンを作った人ならご存知かもしれませんが、CPUの処理速度を上げようと思ったら、それに見合う冷却システムを構えないと、パソコンはたちどころに高熱にうなされ、いわゆる脳死状態となってしまうのです。一般的なパソコンのそれは空冷ですが、中には水冷方式のものもあって、しっかり冷やして音も静かです。老婆心ながら申し上げると、パソコンの排気部に物を置いて塞いだり、電源が入ったままのノートパソコンをバッグにしまったりするのはやめましょう。

 さて、人間にも冷却システムは欲しいものです。時節柄、現在エコでクールなアイデア商品がいろいろと出てきています。老健施設においては、一失が千失、万失につながりかねません。活用できるものは活用して、千慮、万慮を重ねましょう。

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