えんがい

2013年9月9日|

 「えんがい」というと「塩害」、「煙害」、「鉛害」などなどありますが、現在宮崎県で大きな問題になっているのは「猿害」。日向市では連日のように猿に襲われ、怪我をする人がたくさん出て、市民生活にただならぬ影響を及ぼしています。また、宮崎市内でも「まさかこんなところに!?」という街の中で猿が発見され、警戒が続けられています。

 以前にも紹介したことがありますが、延岡市出身の作家、谷克二さんが書いた「老猿」(徳間書店)は、県北の山村で子供が猿に殺害されたことに端を発する物語です。老いた片目の猿に仕業とする村人たちは、経験豊富な老猟師伊助に退治を依頼するも「山ン人は撃てない」と断るのだが・・・・・。という内容で、山の習わしや、動物の習性を見事に織り込んだ名著。私が大好きな作品の一つなのですが、それはあくまでも物語の上での話だからです。谷さんもこの現状を憂えておられるのではないかと察し申し上げているところです。

 これが現実のこととなると、いいはずなどありません。これ以上猿害が拡大しないよう、少しでも早く安心した生活が取り戻せるようになることを願ってやみません。

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