ネバーエンディング・ケアプラン

2015年4月10日|

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 このながーく伸びる雲、3月のとある午後に、南から北に向けてにょろにょろぉっと泳いでいくところを撮影したものです。その様子を見ながら、いまからちょうど30年前の1985年の316日に公開された映画、「ネバーエンディング・ストーリー」に登場する「ファルコン」を連想しました(画像をクリックすると大きな写真が見られます)。

 ご存知の方も多いかと思いますが、このファルコンは、顔は犬のようですが、東洋の竜のような身体をしてます。そして主人公である少年バスチアンが、学校をさぼって密かに読みふける「ネバーエンディング・ストーリー」という物語の中の主人公アトレイユを乗せて空を飛び回って大活躍します。そして最後はバスチアンを乗せて・・・。

 この物語の中の舞台となったのは「虚無」によって崩壊の危機に瀕している「ファンタージェン」という世界を救うため、草原の勇者アトレイユが冒険の旅に出るものですが、当時としては最新鋭の特撮技術を駆使しており、大変な話題になりました。また、元カジャグーグーのボーカルだったリマールが歌ったタイトルと同名の主題歌「ネバーエンディング・ストーリー」も大ヒットし、今でも時々テレビやラジオでも流れるなど、思い出深い名作です。

 さて、この映画に出てくるタイトルと同名の「ネバーエンディング・ストーリー」という本、カバーは本革(たぶん)、で2匹の蛇が絡まったデザインの紋章が施されている重厚な重厚な仕上げとなっています。そしてその外見はさておき、最大の特徴は「読んでいる人の考えが、物語の展開に反映される」と言えます。読書好きのバスチアンは、この本を一人の読者として読みながら色々と考えるわけですが、その考えが物語の中に反映されていく事に驚きます。そして物語の終盤に、バスチアンはその結末を大きく左右する決断を迫られます。そんなあり得ないような事が起こってしまう、というのがこの「ネバーエンディング・ストーリー」という本ですが、考えようになっては読む人が主体となった本、つまり「読者本位の本」と言えるのではないでしょうか。

 これは介護保険におけるケアプランも同じ事が言えると思います。ケアを受ける利用者本人の考え、希望、生きがい、夢、目標などが、おひとり、おひとりごとに盛り込まれ、反映された「利用者本位のケアプラン」に基づき、他職種が連携を密に取り合いながら総合的かつ多角的なケアを提供することで、利用者自らが主人公となった「人生」という名の物語を生き生きと過ごすことができるのではないかと思います。

 利用者本位の考えに基づいた「ネバーエンディング・ケアプラン」で、利用者おひとり、おひとりが主人公となった「ネバーエンディング・ストーリー」が生き生きとしたものとなるように、「ネバーエンディング・ケア」を提供していきたい!・・・ファルコンのような雲を眺めながら、そのように考えた次第でした。

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