雨車軸の如し

2011年9月8日|

  大粒の雨が激しく降るさまを「雨車軸の如し」と例えた記載が、源平盛衰記にあるそうです。書かれたのは鎌倉時代から南北朝時代にかけて、様々な説があるそうですが、いずれにせよ、そんな昔にも、”車軸”のような太く激しい雨があったということでしょう。

 だけど、当時の車軸(当然、自動車なんてありませんでした)と今の車軸が違うように、今の雨の降り方は、昔とは違うと思うのです。台風12号が紀伊半島を中心に極めて甚大な被害をもたらしました(そして今もなお、危険な状態が続いています)。復旧にはかなりの時間を要するものと懸念されます。被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 しかし、これを対岸の火事などと高をくくることはできません(ましてや、対岸の土砂が、川を渡って家屋を飲み込むという、考えもつかないような事も実際に起きてしまっています)。6年前の96日は、台風14号が宮崎県に記録的な大雨を降らせ、多くの家屋が全半壊の被害に遭った日です。交通網も遮断され、犠牲者も出ました。自然災害の脅威をいやというほど思い知らされました。避難所での生活がどれだけ苦痛かということも。だから、96日になると、毎年そのことを思い出さざるを得ませんでした。そんな折りに、今回の災害。胸が痛みます。

 災害は一度来ればもう終わり、という保証はどこにもありません。常日頃から防災への備えを怠ってはいけないと改めて思いました。

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