今日もまた医務室に直行

2011年9月7日|

  「今日もまた、医務室に直行ということになります」──。

 世界陸上最終日、男子マラソンで、市民ランナーながら代表入りした川内優輝選手(埼玉県庁)。粘りの走りで18位!大健闘です。まさに全力疾走。ゴールした途端にその場にばったり。それを見たアナウンサーが放ったのが冒頭の言葉です。トップでゴールし、堂々の2連覇を果たしたケニアのアベル・キルイ選手が42.195kmを走り終えたとは思えないような軽い身のこなしでダンスを披露していたのもすごいと思いますが、川内選手の魂の走りはあっぱれです。重ね重ねで恐縮ですが、全力を尽くすというのは本当にこういうことを言うのでしょう。

 だけど、この「今日もまた、医務室に直行・・・」というフレーズ、流行語になってしまうと困ります。川内選手が世界陸上代表入りを決めたのは東京マラソン。この時もそうだったのですが、同選手は医務室直行の常連なのだそうです。スーダラ節よろしく、「これじゃ身体にいいわけないよ、わかっちゃいるけどやめられない」ではいかがなものかと思います。ましてや、時あたかも未曾有のマラソンブーム。美容と健康のために走る人も多いのでしょうが、ゴールする人が次から次にバタバタと倒れては元も子もありません。

 老健におけるリハビリ、特に運動療法も然り。頑張りすぎは本末転倒の結果になりかねません。こだわり、頑張り過ぎる故に、望ましからぬ結果に陥ることを「こだわり症候群」とも言います。老健で「今日もまた、医務室に直行」という事態は絶対に避けなければなりません。適正な内容、頻度を心がけたいものです。

 

 市民ランナーの星、川内選手の話題が先行した男子マラソンでしたが、ご当地、旭化成の堀端宏行選手の堂々7位入賞を忘れてはいけません。恵まれた身体を活かした粘りの走りで追い上げ、日本人最高の見事な結果です。そしてまだまだ発展途上とのことですから、今後に更なる期待が持たれます。ロンドンオリンピックの代表入り、そしてメダル獲得、是非是非目指してほしいと思います。

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