お彼岸です(「彼岸の支え」とは)

2015年9月23日|

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 923日は秋分の日。彼岸の中日です。だいたいこの時期にあわせて彼岸花が咲くのですが、桜前線のように南から北上したり、紅葉前線のように北から南下するのではなく、全国ほぼ一斉に咲くというのは不思議なものだと毎年感じてしまいます。

 ところで、「彼岸の支え」という不思議な言葉が出てくる物語があります。それは以前にも一度紹介しましたが、「イラハイ」という小説(新潮社)。著者は佐藤哲也さんです。

 イラハイという国に住む屋根穴職人ウーサンが、ヒロインのシュリと結婚すると知ったイラハイ国王フルシミ八世が、幸せを得るには困難を克服しなければならない、と難癖をつけてシュリを奪い去ります。そして城の塔に幽閉されたシュリを取り戻そうと様々な困難に遭遇するウーサンが、穴から落ちた先の地底でつながれてしまうのが、イラハイの国土を崩し去るという「彼岸の支え」。しかしその後この「彼岸の支え」、無残にも折れてしまい、イラハイは水中に没してしまいます。はたしてウーサンはシュリを救い出せるのでしょうか。

5回日本ファンタジー・ノベル大賞(1993年)を受賞したこの「イラハイ」、とても不思議な内容です。屋根穴職人とはいったいどんな仕事なのでしょうか?そして何よりも「彼岸の支え」っていったいぜんたいなんだろう?と作品全体を通じてアブノーマルな雰囲気が漂っています。お彼岸のこの時期に読んでみてはいかがでしょうか。

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