マラソンには瞬発力必要!?
12月11日に開催予定の青島太平洋マラソン2016。今年で記念すべき第30回を迎えるのだそうです。この「青太」が始まった頃は「フルマラソンを走るなんて普通の人には到底無理!」という考える人が多かったのではないかと思います。
しかし現在はそんなことを考える人はあまりおられないのではないでしょうか。今や未曾有のマラソンブーム。市民ランナーの数は1,000万人とも言われていますが、そのきっかけとなったのは2007年に始まった東京マラソン。その年の青島太平洋マラソンも参加者が急増。スタート時刻になっても受付はおろか駐車場に入れない車がコース上にびっしりと列をなしている事態となり、異例のスタート時刻繰り下げとなりました。なおこの約1ヶ月半前にあった綾照葉樹林ハーフマラソンでも同じ事態が発生し、やはりスタートが繰り下げられています。
翌2008年から青太はコースを一新、宮崎市の県庁前やデパート前に宮崎神宮前といった中心市街地に加え青島トロピカルロードなど、走りながら景色も楽しめるコースになりました。制限時間も6時間半。これならのんびり走っても完走が狙えるわけですが、その数年前は5時間半という厳しい時期もあり、多くのランナーが関門で競技中止を余儀なくされていたことを考えると、コースも時間も魅力的な大会になり、人気が高まるきっかけになったと思います。
そして今年の大会、その参加申し込み(ネットでのエントリー)は6月22日の午後8時から始まり、わずか50分で定員の8,200人に達し受け付けを終了しました。参加料7,500円はかつての倍近くになったのですが、エントリーを躊躇する理由にはならなかったようです。それどころか「参加しようかな?どうしよう?」と悩んでいたらあっという間に締め切られてしまいます。参加希望者はパソコンやスマートフォンの画面とにらめっこし、なかなか参加申込用ページへアクセスできずにいらいらしつつ、マウスや指先を懸命に動かしていたのではないかと思うと、持久力が要求されるマラソンに参加するためには瞬発力も必要な時代になったのか、と少々複雑な気持ちがします。
今回の参加申込みは、これまで通り「早い者順」でしたが、東京マラソンをはじめとする他の大きな大会のように抽選方式が採用されるかもしれません。しかしマラソンは運動療法の基本である有酸素運動。参加できなかったからといって「もう走るのやめた!」とせっかくのマラソンブームが下火になっていくのはもったいないこと。性別や年齢を問わず、多くの人が走ることを通じて健康な心身づくりに取り組んでいく傾向が今後ますます高まっていくために、大会の開催や運営方法をはじめ様々な面から対策が講じられるといいと考える次第です。
(※写真は青太マラソンおよび記事とは関係ありません)