R4システム学びました(ケアプラン部会:その1)

2015年12月7日|

(公社)宮崎県老人保健施設協会高齢者ケアプラン部会は1128日、宮崎市のJAアズム別館で「リーダー研修会」開きました。

 今回の研修テーマは老健独自のケアプランシステムである「R4システム」の基礎知識。このR4システムは、介護老人保健施設でのケアを、老健の理念にかなったものにするべく開発されたもので、老健(Roken)のRおよび4つのステージおよびアセスメントで構成されることから「R4システム」と命名されたもので、本県でR4システムに関する研修会は今回が初めて。県内会員施設から40人が受講しました。

開会に当たり、同部会の原 貴子副委員長は「本日のテーマは『R4システムとはどういうものか?』ということを学んでいただくわけですが、現在R4システムの普及率は、県内45老健施設ある中で、2施設のみが導入という、ほとんど知られていない状況があります。では県内では何が最もシェアを占めているかというと、包括的自立支援プログラムが70.8パーセントと圧倒的です。しかし本年度の法改正で、老健は今後在宅復帰を推進していかないと生き残っていけないという報酬額が打ち出された中で、今のままのツールではたして今後在宅復帰を進めていけるのか?という疑問点が残ります。今後在宅復帰を進めていく中で、専門職が協働しながらアセスメントし、在宅復帰を実現するのに非常に優れたツールが本日学ぶR4システムということになります。この研修会で是非基礎をしっかり学んで帰っていただきたいと思います」と呼びかけました。

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(↑開会の挨拶に立った原 貴子副委員長)

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講師には長崎県諫早市にある医療法人和光会介護療養型老人保健施設恵愛荘の谷川敦弘事務長、同じく和光会介護老人保健施設恵仁荘の山口慶之支援相談員、そして神奈川県川崎市より東芝情報システム株式会社ヘルスケア事業部営業部の波多野洋一参事をそれぞれお招きしました。

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(↑右から谷川事務長、山口相談員、波多野惨事)

研修会はまず谷川事務長による「R4システムの基礎知識」、次に山口相談員による事例紹介「R4システムを導入して」、そして波多野参事によるR4システムの実演説明という流れで進められました。

 「R4システムの基礎知識」について講義をしていただいた谷川事務長は、公益社団法人全国老人保健施設協会(全老健)のケアマネジメント部会員や、長崎県すこやか福祉用具講座の講師などを務められており、このR4システムの普及のため全国各地で活動を展開されています。この日はその忙しい中を縫って来県して下さいました。

 開口一番、谷川事務長は「あと3年後、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定がありますが、私たち老健が生き残っていくかどうかという重要な改定になると思います。今年度の介護報酬改定では、特に通所系では『参加』や『活動』を促していきなさい、ということになりました。皆さんの施設が参加や活動をどのように取り組んでいるかという調査は既に今年度から始まっていますが、これはものすごく異例です。厚労省は普通、改定があった翌年に調査を始めますが、改定があった今年度から始めていますから、国も本格的に変わっていくのだろうと思います。そして2018年に在宅復帰をしていない施設は、もしかしたら『集合住宅』としてみなす可能性があります。また医療側から見ると、慢性期の患者さんを対象にした療養病床は減らされますが、どのように減らされるかというと、そこは『病院じゃなくて施設でもいいのではないか。病院機能をなくしましょう、ドクターはいりませんよ、看護師を施設長として認めますよ』という動きを日本慢性医療協会はしています。するとどういうことになるかというと、病院の一部が、今私達がやっている老健の機能を担う可能性があります。ということは私達老健はそこも視野に入れながら、在宅復帰を進めていかないといけません。研究、統計ではR4システムをやっている施設は在宅復帰率が上がってきています。しかしR4システムの導入率は低いということを考えると、本格的に在宅復帰をやっている施設の一部がR4システムを導入しはじめているのではないかという気がします」と切り出し、今後老健の在宅復帰機能がますます重要になるばかりでなく、老健が老健として見なされなくなる可能性を示唆しつつ、そうならないためにもR4システムを導入し、老健の本来の機能を発揮していくことの必要性を強調しました。

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(つづく)

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