第12回研究大会開きました(その4)

2015年11月23日|

 続いて特別講演がありました。講演テーマは「老健が担う地域包括ケア」。講師には三重県津市にある医療法人緑の風介護老人保健施設いこいの森の施設長で、公益社団法人全国老人保健施設協会(全老健)の東憲太郎会長にお越し下さいました。

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(↑長旅の疲れも見せず講演をして下さった東会長)

 「宮崎は生まれ故郷、16年間過ごしました。だから『宮崎に呼ばれるのは絶対に断らない』とこの地に降り立ちました」と第一声を発した東会長に、会場を埋め尽くした350人の受講者は親近感を抱いて聞き始めました。

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(↑座長は当協会の櫛橋弘喜会長が務めました)

 特別講演は(1)平成27年度介護報酬改定および平成26年度診療報酬改定の方向性、(2)地域包括ケアシステムにおける老健の役割、(3)介護職の専門職化と地域医療介護総合確保基金の活用、(4)老健施設の介護職(他職種協働)、(5)時期改定に向けての課題・・・の5つの内容で進められました。

 まず「(1)平成27年度介護報酬改定および平成26年度診療報酬改定の方向性」については、平成27年度の介護報酬改定の基本的考え方とその対応、マイナス2.27パーセントとなった改定率と決定までの経緯などを説明。また介護保険3施設の比較を踏まえ、介護老人保健施設については地域包括ケアシステムを一層推進する観点から、「在宅復帰支援機能および在宅療養支援機能、そして在宅支援受け皿の強化が重要」と指摘するとともに、これは「平成30年度の診療報酬と介護報酬同時改定に向けての布石」とし、平成24年度の同時改定の流れが一層促進されていることを、報酬上の評価の差が拡大していることや在宅強化型老健が3年間で4倍に増えていることなどを、図表を用いて説明しました。

 またその一助にと全老健が作成した介護老人保健施設在宅支援推進マニュアル(総論・入所編発行:株式会社リベルタス・クレオ全老健会員施設(職員)に限り500円(税込み)+送料を紹介。「(当協会の)櫛橋先生にも尽力してもらい、良いものが仕上がりました」と活用を呼びかけました(上記をクリックすると当該Hpが参照できます)。

 加えて訪問リハビリテーションについて、「これは在宅支援に非常に有効です。特に男性の要介護高齢者は泊まったり通ったりしたがりませんので、そういう人にとって家でリハビリができるというのは嬉しい制度です。算定要件がやっと緩和できましたので、是非手がけて下さい」と、取り組みの強化を促しました。

さらに在宅復帰・在宅支援機能の強化および在宅支援受け皿の充実のために「老健は空床を持たないといけません。『入所できないか?』という時に一ヶ月待ちではいけません。100パーセントで埋めるのは簡単で経営効率もいいのですが、それでは生き残っていけません。空床を恐れてはいけません」と警鐘を鳴らし、理想的な稼働率として「95パーセントくらいがいい」と示しました。

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(つづく)

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