第12回研究大会開きました(その6)

2015年11月25日|

「『総合的な確保方策』の目指す姿・・・『まんじゅう型』から『富士山型』へ・・・」というスライドを前に全老健の東憲太郎会長は「介護職が何もかもやる『まんじゅう型』だと専門性が不明確で将来の展望やキャリアパスが見えづらく、早期離職にもつながりかねません。下膳や配膳、認知症の見守りなどは介護助手でもやれます。だから『富士山型』にするべきです」と説明しました。

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この「富士山型」のメリットについて、(a)すそ野を広げる(→人材のすそ野の拡大を進め、多様な人材の参入促進を図る)、(b)道を作る(→本人の能力や役割分担に応じたキャリアパスを構築する)、(c)長く歩み続ける(→いったん介護のしごとについた者の定着促進を図る)、(d)山を高くする(→専門性の明確化・高度化で、継続的な質の向上を促す)、(e)標高を定める(→限られた人材を有効活用するため、機能分化を進める)の5つを呈示し、「なぜ『富士山型』かというと、40年前、”看護師”が”看護婦”だった頃、看護婦はおむつ交換などまでやっていましたが、『それは看護の仕事ではない』と、看護助手を雇い、看護師は看護師の仕事をするようになりました。それから一気に看護師の社会的地位は上がりました。だから元気な高齢者に”介護助手”になってもらい洗濯や掃除をしてもらい、介護は介護の仕事に専念する。そうすると富士山型になり、人材が有効に活用できます。そして10年後、20年後にはかつての看護師のように介護職の地位は向上します」と言い添えました。

らにサービス付き高齢者向け住宅が増加の一途をたどり、そこに介護職が流れている現状をグラフで説明。このような状況に鑑み、三重県老人保健施設協会では地域医療介護総合確保基金を活用している事例(モデル事業)を紹介。元気な高齢者を介護助手として導入し、その人材育成や就労マッチングなどを通じて介護職が本来の介護業務(直接業務)に専念することで、介護職員配置を、「正職員を多く、パートなどの職員を少なめに配置する『まんじゅう型』から、「正職員を少数精鋭(介護専門業務に特化)にしぼり、パートや介護助手を多めに配置する『富士山型』」に変えることで、「人件費の節約になる上に元気な高齢者の介護予防にもなります。元気な高齢者を介護助手として施設に受け入れて富士山型にしてほしいと思います。そして介護職が自分の仕事にプライドが持てます。介護の学校の定員が減ってきていますが、学校で学んできた介護職でしかできない仕事がやれるとなると増えてきます」と述べ、三重県での取り組みが成果を上げていることが全国的に注目され、他の都県でも取り組んでいく予定であることに触れ、「宮崎県でも地域医療介護総合確保基金に手を挙げて欲しい」と呼びかけました。

(つづく)

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