ターミナルケア学びました(看護介護部会:その15)

2014年3月24日|

【せん妄について】

 次にせん妄について、「一過性の意識障害です。回復可能であることを家族にも説明して下さい」と前置きし、環境の調整および家族への説明に関して、次のように説明しました。

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※せん妄は周囲を認識する意識の清明度が低下し、記憶力、見当識障害、言語能力の障害などの認知機能障害が起こる状態。通常数時間から数日の間に発現し、日内変動が大きい。

《環境調整》(米国精神医学界ガイドラインより)

○照明の調整(昼夜のめりはり、夜間の薄明かり)

○日付・時間の手がかり(カレンダー、時計を置く)

○眼鏡、補聴器の使用

○親しみやすい県境を整える

 ・・・家族の面会、自宅で使用していたものを置く。

○オリエンテーション繰り返しつける

 ・・・場所、日付や時間、起きている状況について患者自身が思い出せるように手助けする。

 

《家族への説明》

○認知症とは異なり、身体疾患や、薬剤が原因であること、原因が除去されれば回復可能であることを説明する。

○原疾患の進行による場合は、せん妄が病状進行のサインであることを説明し、家族の辛さを理解し、声かけを行う。家族が実行できる患者のケアなどを一緒に探す。

○つじつまが合わない言動は、無理に修正しようとせず、話を合わせたり、話題を変えたりする方法を推奨する。

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 このせん妄関して林先生は「自分が見ず知らずの所にぽんと置かれたようになって怖いんですよね。周りの人も覚えていず、自分のことを気遣ってくれるかどうかもわからないわけです。ですから『怖がっておられるんだな』と思って接してあげてください」と、相手を気遣った対応の必要性を説きました。

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(つづく)

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