高齢者の「薬」について学びました(支援相談員部会:その1)

2015年3月6日|

(公社)宮崎県老人保健施設協会支援相談員研究部会は221日、宮崎市の宮日会館で平成26年度第2回の研修会を開きました。その模様を、同部会委員長で介護老人保健施設むつみ苑の支援相談員、清 徳昭さんにレポートしていただきました。

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一般社団法人宮崎県薬剤師会からのご紹介で、宮崎県薬剤師会の常務理事で、日南地区医薬分業支援センター会営薬局の松尾吉剛先生に「高齢者に処方される薬の効果と弊害」と題して、日本薬剤師会が発行されている「薬との上手なつきあい方」と書かれた冊子を基に、補足する部分をパワーポイントを使用してご講演頂きました。

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冊子の中は6章で構成されており、順をおって説明していただきました。

1章の薬が効くしくみについては飲む量によって少なければ無効域で効果がでないし、量が多ければ副作用域になり、効果が出すぎて副作用を起こすので、有効域での量を適切に飲むことが大事であるとの説明がありました。有効域に達していないといくら薬を飲んでも良くならないことがあるとのことでした。

2章では「13回」の内服指示の薬は1回の内服で6?8時間の効果があり、朝食で飲み忘れた内服も午前中に飲めば大丈夫であり、その際は次の内服の時間を8時間空けて下さいとの説明がありました。

薬は適切な時間で決められた量や回数を守ることは大切であるが、飲み忘れた際の対応も説明頂けたので参考になりました。薬の飲む時間にも意味があり、空腹時に飲むのが一番効くとの説明でしたが、副作用のリスクを下げるには食後の内服になるとの説明でした。

また、今までお茶で薬を飲むのは種類によって効果がなくなると思っていましたが、先生のお話しでは現在製造されている薬ではお茶で飲んでは効果がなくなる薬はないとのことでした。また錠剤やカプセル薬が飲みにくい方は味噌汁等に混ぜて内服されても良いとのことでした。

3章の副作用と相互作用では、副作用として眠気には注意してくださいと言われました。市販薬の総合感冒薬は全ての成分が入っているので特に車を運転する際には注意してくださいとのことでした。相互作用としては酸化マグネシウムのカマグとニューキノロン系抗菌剤(クラビット)では同時に内服すると効き目が落ちるので、抗菌剤を内服してから2時間の間隔をあけて飲むと影響がないとのことでした。食べ物などとの相互作用としては効きにくくなる代表として、ワルファリン(血栓を防ぐ薬)と納豆(ビタミンK)の代表的な説明の中で、ビタミンKを多く含む他の食品としてクロレラ、青汁、緑黄色野菜があるが、緑黄色野菜は特別多くの量をいっぺんに食べることは少ないのでそんなに気にしなくていいですとのことでした。効きすぎになる代表としてはカルシウム拮抗剤(高血圧等の薬)とグレープジュースを説明され、他の柑橘類では温州ミカンは大丈夫であるが、キンカンは相互作用が起こるとのことでした。

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(つづく)

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