ソフト食学びました(栄養給食部会:その2)

2013年12月27日|

【摂食・嚥下の流れ】

 食に関して食べる人、作る人の尊厳、そしてそこから生まれた「高齢者ソフト食」について説明してきた栄養・給食研究部会の船ケ山
塁副委員長。「まずは安全に食べられることが大事です」と前置きし、摂食・嚥下(えんげ=飲み込むこと)機能について説明を行いました。

 この摂食・嚥下機能には(1)先行期、(2)準備期、(3)口腔期、(4)咽頭期、(5)食道期・・・の5つがあるとし、それぞれの問題と観察ポイントを、スライドを用いて次のように示しました。

(1)先行期】

・・・食物を見て認識し、どんな食べ物を、どのくらいの量を食べるのかを判断する時期。

《問題と観察ポイント》

〇食物を認識できない

〇ウトウトしている

〇ぼーっとしている

〇注意散漫

〇感情をコントロールできない

〇食べ物に無反応=口を開けない、スプーンが触れても口を開けない、など。

 

(2)準備期】

・・・食物を口の中に入れ、嚥下ができるように咀嚼(そしゃく=かみ砕くこと)し、食塊を形成する時期。

《問題点と観察ポイント》

〇口が開かない、開けてくれない

〇口が完全に閉じない

〇舌がうまく動くか

〇よだれが多いか、少ないか

〇唇が閉じられるか、左右差

〇咀嚼できない

〇歯や義歯の問題、筋肉が動かない

〇感情をコントロールできない

 

(3)口腔期】

・・・口腔内で食塊にされた食べ物を咽頭に移送する時期

《問題と観察ポイント》

〇舌の運動機能の障害

〇頬筋(きょうきん)の麻痺

〇口腔の感覚障害

〇飲み込む時に上を向く

〇飲み込みに時間がかかる

〇舌で口の天井を押しつけられるか

〇顎が噛みしめられるか

〇食物残渣が残るか

 

(4)咽頭期】

・・・食塊とされた食べ物が咽頭から食道へと運ばれる時期

《問題と観察ポイント》

〇声門がきちんと閉じない

〇咽頭閉鎖不全

〇輪状咽頭筋の弛緩不全

〇せき込み、むせ

〇がらがら声

〇嚥下後に声が変わる

〇喉に食物の残留感がある

〇鼻から食べ物が出てくる

 

(5)食道期】

・・・食塊を食道から胃へと送り込む時期

《問題と観察ポイント》

〇腫瘍による通過障害

〇アカラシア(食道の機能障害により飲食物の通過が困難となる疾患)

〇食べ物が喉につかえる

〇飲み込んだものが逆流してこないか

〇流動食しか飲み込めないか

IMG_5647.JPG
(つづく)

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